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714 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 16 54 ID OP/4A0t2 濡れ場のリハビリがてらに書いた駄文ですが投下します ※キャラ崩壊してるかも ※独自設定っぽいのあり 海沿いのある町の、その外れにぽつんと佇むコンクリートの小さな建物。 訪れる者のいないこの建物に提督が一人と艦娘が一人、ひっそりと暮らしている。 それほど大きくない町の、更にその郊外だけあって、周りには海以外何もない。 とは言え、別にこの提督が極度の人嫌いだとか、人目を憚るような訳があるとか、極秘任務に就いているとかいう訳ではない。 いや、任務と言えばそうなのだが― 数か月前、人類は深海棲艦と無期限の停戦状態に入った。 深海棲艦側としては、既に人類に対抗するだけの組織も、それを維持するだけの兵站もなく戦争を継続するのが困難になった。と言うのが一番の理由だ。 開戦当初こそ人類に対し攻勢に出ていた深海棲艦だったが、当初の計画よりも早く、そして広範囲に拡大した戦線は、やがて兵站の限界を超えてしまった。 その上緒戦の勝利によって徐々に現場至上主義が蔓延り、司令部を無視しての更なる戦線拡大が恒常化し始めた。 しかしこうした野放図な戦線拡大がいつまでも続く訳がなく、やがて最前線でも補給が滞り始めると、孤立した前線の艦隊は真っ先に人類側反攻作戦のターゲットとされた。 人類側の高度に組織化された軍隊や、大量投入される艦娘やその他の兵器、それらを維持するだけの生産力と兵站管理能力の前にこうした艦隊は次々と掃討され、 各海域で戦線の崩壊が起こると、士気低下や補給の停滞、更に現場至上主義の弊害として命令系統が混乱。 平然と命令無視や残党の軍閥化が頻発し、もはやだれが敵なのかも分からなくなってきていた。 こうして四分五裂した深海棲艦は急速に弱体化、戦争の継続はおろか、上層部はまともに命令に従う戦力がどの程度残っているのかも把握していなかった。 ―上層部もまた、そうした問題より自分の軍閥の拡大に重きを置いていた。 こうして始まった泥沼の内部抗争により人類との停戦を申し入れ、人類側もこれに対していくつかの要求をのむことを条件に停戦に応じた。 結局、戦争という行為に関しては、有史以来それを繰り返している人類の方が一枚も二枚も上手だったという事だ。 この停戦により各地の鎮守府や泊地とそこに溢れかえる提督や艦娘はその存在意義が薄れ、多くは除隊か、沿岸監視の名目で各地に飛ばされた。 その沿岸監視とは名ばかりの飼い殺しにあるうちの一人が、この小さな建物に暮らす提督である。 715 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 22 48 ID OP/4A0t2 「おはようございます提督。ご飯にしましょう」 その飼い殺し提督と一緒にいるのが、今や彼の艦隊に唯一所属している艦娘となった伊勢であった。 戦後、他の艦隊に引き抜かれたり、自ら希望して解体され、普通の女性として除隊した者達が多い中、彼女は最後まで艦隊に残っていた。 「ああ、用意してくれたのか。済まないな」 寝ぼけ眼で小さな卓袱台に並べられた二人分の朝食を見て、提督は申し訳なさそうに言う。 「気にしないで。さ、食べましょ」 伊勢はそう答えながら提督を促し、自分も卓袱台の前に座る。 「「いただきます」」 二人向かい合って朝食をとりながら、提督はふと伊勢を見つめる。 「どうしました?私の顔に何かついている?」 「いや、見慣れたと思ったが、艤装をしていないと小さく見えると思ってな」 最近、伊勢は艤装をしていない時間が増えた。 以前の様に戦う事がなくなったので当然と言えば当然だが、身軽な今の姿は彼女を妙に小さく見せる。 やがて食事を済ませた二人は一緒に食器を洗い終えると、それぞれの業務に就く。 といっても大したものではない。 伊勢は外していた艤装を装備し、浜辺に出て瑞雲を発進させる。 名ばかりとは言え沿岸一帯の監視が任務である以上、日に何度かこうして哨戒を行い、ついでに感覚を忘れないために自主訓練を行う。 提督は周辺の見回りや施設内の保守点検、昨日までの報告の作成、時折司令部で行われる合同演習や図上演習等が仕事となる。 勿論、どちらも一日中やっている訳ではないため、他にやることがあるとすれば施設内やその周辺の清掃、海岸のゴミ拾いぐらいだろうか。 それでも陽の傾き始めるころには大体が終わってしまう。 飼い殺しと呼ばれる所以はここにある。 何重にも警戒態勢が敷かれ、無条件降伏に近い条件を呑ませて停戦した今、 深海棲艦が近海まで現れることはなく、辺鄙な田舎町の郊外で事件など碌に起こる訳もない。 一度砂利道でパンクしていた車を見つけ、ジャッキを持ってきてタイヤ交換を手伝ったこともあったが、精々その程度だ。 無論、こうした業務に大した報酬がある訳でもなく、 提督には最低限の生活物資の補給がある代わりに、戦時中に比べれば雀の涙ほどの給与で糊口をしのいでいる。 716 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 26 41 ID OP/4A0t2 この日も何ら変わりなく、西の空がオレンジ色に染まるころにはすべての業務を終えて提督が風呂を、伊勢が夕食の準備を始めていた。 こうした代わり映えしない日々や旨みの無い待遇に嫌気がさして除隊するものも多く、軍縮を迫られている上層部としてはそれが狙いでもあった。 「さて、今日も一日平和だったな」 提督は風呂を洗いながらこの頃この時間の口癖となった言葉をつぶやく。 伊勢からも特に何の異常もなかったとの報告を受けているが、そもそも異常があったためしがない。 「……これなら辞めたくなる奴が多いのも分かるな」 そう言いながらも提督はそのつもりは無かった。 それから暫くして、風呂の準備が整うとほぼ同時に夕食も完成した。 いつも通り、二人ともまずは先に風呂に入り、それから夕食となる。 普段なら二人分の食事が並ぶだけの食卓に、提督の懐では少し無理をした銘酒の小瓶が置かれている。 「「いただきます」」 いつもの通りの夕食に加えてコップ酒が追加された卓袱台。 しかしコップは三つ出されていた。 三つ目の前には何人もの名が刻まれた位牌が一つ。 今日はかつての仲間の命日だ。 戦争末期、深海側最後の抵抗とされた激烈な戦闘があった。 練度の足りない新兵たちまで駆り出し、補給も受けられないままに戦いを挑んだ深海棲艦の敗北は最早目に見えてはいたが、 それでもいくつかの艦隊との間では死に場所を求めたような古参兵の猛烈な抵抗に遭い、少なからず損害が出た。 その損害の一つが、この提督の艦隊。 そこには改装を終えたばかりの伊勢の妹もいた。 それからすぐに戦争は終わった。 仇討ちも弔い合戦もなく、その機会は永遠に失われた。 そして今、こうしてその死を悼むことが残された二人に唯一出来る事だった。 717 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 29 22 ID OP/4A0t2 その夜、二人は同じ布団の中にいた。 「伊勢……今日もいいか?」 「はい。提督……来て」 上になった提督が伊勢の首に手を回し、唇が触れ合う。 提督の舌が伊勢の歯の間から口の中に滑り込み、伊勢の舌とくちゅくちゅ音を立てて絡み合う。 それに合わせて提督の腕が伊勢の背中に回り、伊勢と密着するように強く抱きしめる。 互いが互いの舌を味わい、一度口を離して見つめあい、また再び口と舌が交わる。 口の中を十分に味わうと、興味の対象は下に移る。 提督の手は伊勢の形の良い胸に伸び、その広い掌で揉みしだく。 「んっ…!くふっ……」 乳房の形が変わる度に伊勢の口から声が漏れる。 いつもの黒インナーは着ずに、肌の上に直接白い上着を着ているため、少しはだけさせるだけで提督の手が直に伊勢の乳房に触れる。 手だけでは足りなくなったのか、提督は乳房の先端に吸い付き、舌先での愛撫を始める。 「ひゃん!あっ、ああっ」 提督の舌が何度も往復し、伊勢も何度も嬌声を上げる。 提督によって徐々に敏感になってきた伊勢の体は、舌が通る度に快楽の津波が押し寄せ、艶のある声が闇に響く。 口を乳房で塞いだまま、指は伊勢の股間に滑り降り、彼女の秘所に少しずつ侵入していく。 「ひゃっ、ああっ!提督っ!!ていと―くひゃあ!」 提督の指が、くちゃくちゃと湿った音を立て、伊勢の中へと沈んでいく。 「ふあっ、くうっ……!ううぅ……!!」 母乳を求める子牛の様に、提督の指は伊勢の蜜に向かって進み、トロリとしたそれを全体に纏わらせていく。 「くひっ!!ひううっ!!はぁ……はぁ……はぁああっ!!」 汗ばんだ伊勢から放たれる雌の匂いが、提督の嗅覚に絡みつく。 718 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 32 17 ID OP/4A0t2 「行くぞ……」 「はい……。ください」 提督のむき出しになった一物が、伊勢の膣に触れる。 十分に濡れた伊勢のそれは咥えた一物をスムーズに奥へと進ませていく。 「くううぅ……ああっ、くああ!!」 奥まで一物が入り込むにつれ、提督の腰づかいも激しさを増す。 「くふうっ!!ふあ、ふぁあああっ!!」 「伊勢!伊勢ぇっ!!」 喘ぎ声に応じるように、提督も伊勢を呼ぶ。 腰を動かし、一物を押し込むように提督の動きは激しさを増す。 「うあっ!あん!提督!!提督!!ひゃひぃ!」 「伊勢っ……!くぅ、うっ……はぁ……」 提督が絶頂を迎え、伊勢の中にぶちまけた。 「くうっ、うっ…ああああーっ!!」 伊勢もまた絶頂に達した。 行為を終え、静まり返った闇の中、提督は伊勢をその腕の中に抱いていた。 その目には涙が浮かんでいる。 「大丈夫よ。私はちゃんと傍にいます」 その声にこたえるように、提督の腕はよりしっかりと伊勢を―彼に残された唯一の心許せる相手を抱きしめる。 人間の友も、自分を慕ってくれた艦娘も看取ってきた彼は、帰る場所も頼る人もいなかった。 彼の家には誰もいない。 彼を迎え入れてくれるはずだった家族は、戦乱の中で皆死んでいた。 家族も仲間も失った彼に平和な世界は広かった。 たった一人で生きるには広くて広くて、途方もなく広くて広すぎて、無性に悲しかった。 結局、戻ってきたのはかつての仲間の場所。 それが唯一の心の支え、唯一の存在理由だった。 伊勢もまた同じだった。 大事な妹や仲間を失い、解体されることを考えた彼女にもまた世界は残酷なまでに広かった。 結局、戻ってきたのはかつての仲間の場所。 彼女もそれが唯一の心の支え、唯一の存在理由だった。 719 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 34 03 ID OP/4A0t2 結局二人は似た者同士、帰る場所もない家なき子。 この関係を女々しい傷の舐めあいと言われれば、二人とも否定する気は無かった。 だがいったい誰がその台詞を言えるだろう。 戦い続けて傷ついた末、居場所を失って彷徨い、ようやく手に入れた安息をだれが否定できるだろう。 「提督。私はずっと傍にいます。だから―」 伊勢は提督の胸元に頭をうずめる。 「提督も傍にいて。私の傍に」 かつて『くろがねの館』と呼ばれた艦があった。 終戦後、解体される予定だったその艦に家を失った人々が住みつき、その艦をそう称した。 そして今、同じ名の艦娘はまた戦争で行き場を失った者を支えている。 彼女自身も、支えられながら。 終 +後書き 720 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 38 56 ID OP/4A0t2 以上スレ汚し失礼しました。 以前から度々あった伊勢さん書きたい病の発作が出たので投下しました。 もっと木造迷宮っぽい感じにしたかったけどどうしてこうなった。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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324 :2-358:2014/05/11(日) 22 44 56.45 ID QFRj+f2x えっと不人気でおなじみの妙高型です。 半年ぶりのアップです。 すいません。丸二日推敲しましたがエロまでたどりつけませんでした。 戒めてとして最前半アップします。 後半も早めにアップします。 妙高型みすてないでぇ 325 :2-358:2014/05/11(日) 22 45 56.04 ID QFRj+f2x 4-1-1 鎮守府の食堂は喧騒に満ちていた。 喧騒を煽るかのように食欲をそそる香りが食堂に漂っている。 「カレーライス♪カレーライス♪」 謎の節をつけた歌を駆逐艦娘達が楽しそうに歌いながら配膳口に並んでいる。 金曜日の夕食はカレーライスである。 泊地からほど近い獅南島で夕食を取る艦娘もいるがカレーの日はほとんどの艦娘達がここで夕食をとる。 ここで暮らしている艦娘達全員を収めて余りある大食堂は付属の厨房も含めて鎮守府自慢の設備である。 食堂を仕切っているのは給糧艦『間宮』だが、艦娘達が手伝うことも多い。 「暁、にんじんは残さないんだぞ」 「一人前のレディは好き嫌いなんかないんだから。それにカレーのにんじんは、食べられるし」 「ねぇねぇ、今日のカレーは誰のカレーかな」 「電は鳳翔さんの辛くないカレーが良いのです」 カレーは海軍の定番メニューということもあり普段に増して手伝いを申し出る艦娘が多い。 客船仕込みの葡萄酒を使った飛鷹姉妹の欧風カレー。 豚ばら肉とたくさんのお野菜が入った鳳翔のカレーは正調おふくろの味だ。 意外なところでは酒粕を使った那智の和風カレーや苦瓜の入った伊58のカレーも人気だ。 「今日のカレーは……提督カレー、やったぁ!」 男子厨房に入るべからず、昭和の提督が見たら仰天するだろうが提督の趣味は料理である。 最初は内緒にしていたのだが、最近は良く厨房に立つようになっていた。 材料を刻んだり、具材を煮込んだりしながら戦略を練るのがいいらしい。 特に沖ノ島攻略戦が始まってからというもの、彼は厨房に立つことが増えた。 信頼し可愛がっている艦娘達が己が作った料理を喜んで食べてくれるのが何よりの気分転換なのだ。 今日の提督カレーはバターの香りが芳しいチキンカレーだ。 提督カレーは毎回色々変わる。きちんと手間をかけて作られた提督カレーは艦娘達に人気が高い。 配膳口では割烹着姿も神々しく《艦隊の母》鳳翔が艦娘達にカレーを盛り付けている。 「上々ね」 「メシウマ!」 「はぁ…癒されます…感謝ですね…」 「ほう。これはなかなかのものじゃな」 あちらこちらで艦娘達が楽しげにカレーを平らげていく。 併設されている厨房から提督がその光景を目を細めながら眺めている。 艦娘達との生活。 今の彼にとってかけがえのないものがそこにはあった。 暫く食堂を眺めていた提督は、傍らでいそいそと調理器具を片づけている艦娘に笑いかけた。 「羽黒、手伝ってくれてありがとう」 326 :2-358:2014/05/11(日) 22 47 25.56 ID QFRj+f2x 4-1-2 「いえ、あの、こちらこそありがとうございます」 恥ずかしそうに羽黒は微笑んだ。 白い三角巾と同じく白いエプロンが彼女の楚々とした魅力を強調する。 「司令官さんのお手伝いはお料理の勉強になります」 「そんなに大したものじゃないよ。でも羽黒が手伝ってくれて本当に助かった」 そう言っていつものように頭を撫でる。 艦娘の頭を撫でて労いや感謝の意を表すのは提督の癖だった。 羽黒は嬉しそうに頬を赤らめた。 ―司令官さんの手、優しくてあったかい。 彼女は提督に対して好意以上の気持ちを持っていた。 だが、生来の気弱さからそれを提督に伝えられずにいる。 姉たちや一部の積極的な艦娘達はストレートに提督に気持ちを伝え、それ相応に提督との時間を楽しんでいる。 ―私にはみんなみたいな積極性はないから…それに、もし、嫌いって言われたらどうしよう。 そう思い俯いている日々を続けていたが、二週間程前に見かけた提督と足柄の密事から羽黒の中で何かが芽生えた。 那智も妙高もそれぞれに提督と深い関係にある事を目撃してしまった。 同じ姉妹艦にできたのに。 自己嫌悪と嫉妬が羽黒の胸に渦巻いた。 ともすればそれは暗い悪い方へと彼女を導いてしまっただろう。 だが、ここで彼女は思い出す。 『艦内生活一般心得 宏量大度、精神爽快なるべし。狭量は軍隊の一致を破り、陰欝は士気を沮喪せしむ。』 帝国海軍昭和14年練習艦隊心得が彼女はうじうじするのを止め正面からの行動に出る事を決めた。 まごうことなく彼女は帝国海軍の一員、太平洋を所狭しと暴れまわった甲型巡洋艦なのだ。 そして『見敵必戦』こそは彼女達のモットーだった。 彼女は提督に思いを伝えるための作戦を練った。 そして、機会を増やせば同時に告白できる機会も増える、という結論に達した。 鳳翔にクッキーの作り方を習って以来、出撃の合間や休養日を使い料理の腕を磨いてきた。 特訓のおかげか一通りの事はできるようになり、ここしばらくは提督と肩を並べて厨房に立つことに成功していた。 取りあえず前哨戦に勝利したというべきだろう。 だが、彼女の目標はここではない。 ―こ、ここで満足しちゃダメ。 327 :2-358:2014/05/11(日) 22 53 24.20 ID QFRj+f2x 4-1-3 意を決した羽黒は精一杯の勇気を奮い起こした。 「あ、あの司令官さん」 「ん?どうした」 「あの、その…」 もじもじと先に進まない。 そんな姿の羽黒に何人かの艦娘達が気付いて無言のエールを送る。 照れ屋でおとなしい羽黒はともすれば臆病なイメージが印象に残ってしまう。 しかし、戦場での彼女は勇敢かつ熟練した海古強者だった。 『海の餓狼』妙高型重巡の名に恥じないその戦いぶりとその身を持って僚艦の盾にすらなる仲間思いの性格から姉妹のみならず他の艦娘からの信頼も高い。 目の前で茹蛸のようになる羽黒の頭を撫でている提督も内心の昂ぶりを自覚していた。 艦娘達に囲まれた生活に好意を寄せてくれる艦娘からのアプローチ。 口さがない艦娘達から鎮守府の種馬だのち○こ司令だの呼ばれている提督だがそれ故、余計に博愛主義を貫いてきたし艦娘達も敢えて提督を独占することは無かった。 『海軍士官たるもの港ごとに女がいて、粋な遊びの一つや二つできなくてどうする』 英雄色を好む、という言葉が一種のステータスとして通ってた時代の記憶を根底に持つ艦娘達にとっては、男子たるもの複数の女性にもてることは美徳としてとられているようだ。 現代の女性から見たら男のわがままのそのものだが、何しろ相手は大正昭和の強い女ばかりだ。 艦娘達が自分を好いてくれているのは嬉しい。どの艦娘も愛しい。言うなればお妾さんだ。 だが、かつて連合艦隊を率いていた提督達に及びもつかないひよっこである事を自覚している彼にとってはどうにもこそばゆい現実でもあった。 帝国海軍の将帥たちのように粋にとはいかず、ただの優柔不断になっている自分をなさけなく思ってしまう。 数いる艦娘の中でも羽黒は提督の中では特別の艦娘だった。 カムラン半島沖で彼女に出会ったとき提督は彼女に恋してしまった。 他の艦娘達に抱く感情とそれはちょっと違っていた。 だからこそ余計に自分が羽黒に惚れている事を意識してしまうと他の艦娘達との関係が壊れてしまうようで怖かった。 はっと我に返るともじもじしている羽黒と視線が合ってしまった。 艤装を外し白い前掛けの前に手を組み猫背気味にこちらを見ていた羽黒は提督に一歩踏みよった。 「あの…今夜、お部屋にお伺いしても……いいですか?」 普段のおどおどした口調とは打って変わった決意の籠った声。 ぎゅっと握られた手が小刻みに震えていた。 今まで逃げていた自分が恥ずかしい。当に答えは出ていたのだ。 羽黒の引っ込み思案な性格を利用して、羽黒に振られる事を恐れていたのだ。 あの慎ましい羽黒が勇気を振り絞って言ってくれたのだ。 答えなければ日本男児ではない。 328 :2-358:2014/05/11(日) 22 55 44.62 ID QFRj+f2x 夷を決してた提督は出撃前のされと同等の緊張で羽黒に応えた。 「わかった……夕食終了後、2200に私室で待っている」 提督は前掛けを外し、照れ隠しか軍帽を目深にかぶると傍らの給糧艦間宮に声をかけると、そのまま足早に厨房から逃げるように出ていった。 羽黒は俯いたままエプロン裾を握りしめている。 ―った……やったぁ。やっと言えたぁ……司令官さんと二人きり。 大きな瞳は潤み、今にも涙が零れ落ちそうだ。 立ち尽くす羽黒の肩が優しくそっと抱かれた。 顔を上げると鳳翔が柔和な笑顔を浮かべていた。 差し出されたハンカチで目頭を押さえると涙が零れる。しばらくの間、肩を抱いていた鳳翔がそっと促す。 「食べましょ。提督のカレー」 羽黒の心中をおもんばかってかそれ以上は何も言わない。 こくりと小さく頷いた羽黒は銀盆を持って食堂のテーブルに向かう。 銀盆の上には鳳翔の用意してくれたカレーライスと副菜が乗っている。 「おい、羽黒。ここだ」「どうしたの?失敗したの!まだチャンスあるか-」「足柄。声が大きいわ……ここ空いてるわよ」 ぽてぽてと心此処に無く歩く羽黒を姉たちが三者三様に呼び止めた。 姉たちは姉たちなりに羽黒の心配をしていたようだ。 ほとんどの艦娘達は食事に夢中で、提督と羽黒との一連のやりとりを見ていたものはごく少数だったが姉たちは一部始終を見ていたらしい。 さすがは姉妹艦である。 ちょっこんとテーブルに向かう羽黒を姉妹たちは神妙な顔で迎えた。 俯いてカレーを見つめる羽黒の表情は見えない。 暫くの沈黙の後、那智が口を開いた。 「その、なんだ……飲むか。今夜は私が付き合うぞ」 無関心なような顔をしてその実、情実細やかな次女が心配げに切り出す。 「い、一回や二回、断られたって大丈夫。チャレンジよチャレンジ!」 聞きようによってはカラ元気に聞こえてしまうところが足柄の悲しいところだ。 考えようによっては彼女が一番提督(の肉体?)に飢えているようにみえる。 だからライバルが減って喜ぶべきなんだろうがそこを励ましてしまうところが三女の良いところなのだろう。 「―提督が羽黒を傷つける事を言ったのなら後でしっかりお説教してあげる」 普段は優しくお淑やかな長女だが、敵に回すとこれほど怖い相手はいない。 提督に理路整然と意見できる娘は霧島と妙高、不知火ぐらいである。 「あ、あのね…」 俯いたまま、優しい末っ子はぽそりと口を開いた。 ゴクリ。 四姉妹の顔に緊張が走る。 「今夜、私室に…来なさいって」 三人の姉は顔を見合わせると微笑ましいちょっと意味深な笑顔で愛妹に言った。 「「羽黒、頑張ってね!」」 +後書き 330 :2-358:2014/05/11(日) 23 06 43.31 ID QFRj+f2x 取りあえず羽黒、頑張った。 ダメなのは提督=書き手だ。 部屋のあれこれも、なんというか、全身舐めしゃぶってるのをなんとか 見ていただけるレベルにまとめてます。 …嫁、難しい。浮気の鈴谷と長波に手を出してしまいそう。
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68 :づほちゃん童貞を美味しく食べりゅ☆:2015/10/25(日) 22 16 06 ID 1EsRa5KA 提督×瑞鳳投稿します 69 :づほちゃん童貞を美味しく食べりゅ☆ ◆vUo//O.X1M:2015/10/25(日) 22 16 57 ID 1EsRa5KA 司令官室。 瑞鳳は煎餅布団の上に正座して司令官を待ち構える。 「質素な煎餅布団しか用意できなくてごめんな」 「ううん。瑞鳳はすっごい嬉しいよ」 瑞鳳とケッコンカッコカリした司令官のケッコン初夜。 あくまでも『(仮)』である事から本当の婚姻ではない。 しかし人間と艦娘の絆を結んだ証明ではある。 その点で司令官と瑞鳳はお互いに想いあっていた……だがしかし。 「ねえ司令。吹雪ちゃんから聞いたけど童貞なの?」 思わず司令は吹き出す。 吹雪は司令にとっての『初期艦』であり、瑞鳳も親しくしている駆逐艦なのだが……。 「吹雪め……勝手な事を言いおって」 この鎮守府の吹雪は司令官に対しては結構辛辣なのである。それはともかく。 「で? どうなの?」 「……女性経験は、ない」 70 :づほちゃん童貞を美味しく食べりゅ☆ ◆vUo//O.X1M:2015/10/25(日) 22 17 42 ID 1EsRa5KA 事実である。 司令官はいい年だが女性経験は一切ない。 だから童貞なのである。吹雪にそれを指摘される道理はないが。 「ふぅん……へぇ……」 瑞鳳は改めて司令官を値踏みするように見る。 海軍軍人らしい鍛えられたたくましい肉体。 だが女性経験はない。つまり童貞。 「……じゃあ例えば瑞鳳とセックスする気も……」 「ない」 即答だった。 「いや……別に瑞鳳が魅力的じゃないと言ってるわけじゃないんだ。ただ人間と艦娘が結ばれてどうなるか保証はない。人間と艦娘のハーフがどのような子に育つかもわからないし、それに妊娠したまま戦場に出れば母体も子供も危険だ……」 「妊娠して沈んだら子供ごと深海棲艦化しちゃうかもしれないしね」 「そこまでは考えていないが……有りえる話だな」 艦娘はまだ生まれて間もない。 裏ではどのような事が行なわれてるか司令官は分からないが人間と艦娘のハーフがどうなるかテストケースが少なすぎるのも事実だ。 瑞鳳を大事に思ってるからこそなのだろう。 「……三日月ちゃんや瑞鶴さんが言った通りか」 「あいつらが何か言ったと?」 「ううん。なんでもない」 瑞鳳は誤魔化したが、三日月や瑞鶴から「司令官(司令っち)はヘタレだから押し倒さないといけない」と念を押されていたのだ。 だが瑞鳳は諦めてなどいなかった。こういう男だから愛したのだろうから。 しかし理屈は分かるが、ケッコンしたのにもかかわらず抱かれないのは良くない。 瑞鳳は一つの賭けに出る気でこの場に居る。 「ねえ司令。あたしがどんなことやっても愛してくれる?」 「場合にもよる。深海棲艦化して民間人を襲うなら……」 「他の人間も艦娘も関係なくて、ただ司令とあたしの間だけの話。例えば九九艦爆を放ったりしたとか」 「瑞鶴や葛城にはしょっちゅう撃ちこまれてるな。慣れてるさ」 「瑞鶴さんや葛城ちゃんの話じゃなくて……まぁいいや」 瑞鳳は意を決したように机の上に置かれているものに目をやる。 夜食兼晩酌用に作った卵焼きと日本酒だ。 「じゃあ司令。卵焼き、食べる?」 「ああ、いただこう。瑞鳳の玉子焼きを肴に酒を頂くのが最近の楽しみだからな」 「ありがとう」 瑞鳳も最初から卵焼きを作れたわけではない。 司令のために鳳翔にならって頑張って来たのだ。 しかし瑞鳳はその信頼を裏切りかねない賭けに出る。 瑞鳳は司令に隠れて粉薬を取り出す。 「(大鯨ちゃんからもらったこのドイツ製試験薬で……)」 龍鳳がUボートからもらったドイツの試験薬。 それを瑞鳳は受け取っている。 これは一言にするなら『艦娘LOVE』に誘う媚薬だ。 『瑞鳳ちゃん。司令みたいな人はいくら誘っても我慢するから、こういうものを使って愛してあげるといいですよ』 空母になってやたら自信を得たのか、従姉妹とも呼べる龍鳳はどこかやり手だ。 しかし瑞鳳も有難くそれを受け取る。 「(今こそこれを使うね)」 サーッ! 念には念を入れて卵焼きにも試験薬を混ぜているのだが、更にお酒にも混ぜる。 「はい、どうぞ。司令」 「うむ、いただこう」 司令は瑞鳳が変な媚薬を混入した事を知る由もなく、いつものようにいただく。 「やっぱり瑞鳳の玉子焼きは美味いな」 「そう?」 「瑞鳳は魅力的な艦娘だからな」 「いつも言ってくれてるけどすごくうれしい」 「……瑞鳳。ここまで魅力的だった……か?」 司令は頭の中がピンク色のもやにかかったかのように顔を紅潮させる。 実際、瑞鳳を美少女だと思っているし、そういって無自覚に口説いた事もある。 だが司令はドイツ性の媚薬を接種した事で…… 『艦娘LOVE』の状態になっていたのだ! 「ごめん。大鯨ちゃんから人間を『艦娘LOVE』にする薬をもらって、それを混ぜちゃった」 「あ、ああ……だからなのか」 「瑞鳳のこと嫌いになった?」 「なれるわけないだろ……っ」 あくまで瑞鳳と司令官の間だけのだまし討ちだ。別に他の誰かに迷惑をかけてるわけでもない。 良心が苛む事などないから『艦娘LOVE』のまま瑞鳳を見つめる。 「ずいほう……」 兵器なのに見た目麗しい瑞鳳。 甲斐甲斐しい瑞鳳。 その綺麗なブロンド色の髪、娘の匂い、ぷっくらした唇。 「ちょっと恥ずかしいけど、卵焼きのちょっとエッチな食べ方すりゅ?」 「エッチな食べ方?」 「ちょっと口を開けて?」 艦娘への愛情から判断力を失っていた司令は、言われるがまま口を開ける。 すると瑞鳳は卵焼きを自らの口に含んだ。 司令はその時は代わりに瑞鳳が卵焼きを食べるのかと思ったのだが……。 「んー」 瑞鳳は口移しで卵焼きを司令官に食べさせられた。 「んっ!?」 瑞鳳は更に舌を絡めて来て司令が口を閉じるのを防ぐ。 だが元から瑞鳳への愛情を抱いていた司令が、媚薬の効果で更に瑞鳳への愛しさを強めていたため自ら率先して瑞鳳と舌を絡める。 いつもよりも甘い甘い卵焼きだ。 「ふぁあああああん。あはぁ……」 様子がおかしいのが瑞鳳。 口移しで卵焼きを食べさせた後、発情したかのように顔を真っ赤に紅潮させて喘ぐ。 龍鳳のもたらした媚薬の効果だろうか。 否。 ここで設定解説をしよう。 艦娘は人間に反抗しないように『人間LOVE』を植え付けられている。 瑞鳳は比較的その調整が薄れているが、しかしいざという時に備えた機能がある。 それこそ司令も知らない艦娘の恐るべき真実。 「しれぇのキス……おいしぃ……」 艦娘は人間の唾液を接種する事で発情するのだ! 今の瑞鳳は元から司令を慕っていた愛情を更に唾液効果で強められ、完全に発情してしまっている! 「海戦中じゃないしぃ、なんか服とか熱いぃ……ていうか、邪魔!」 呆けた顔で瑞鳳は乱暴に服を脱ぎ棄てて生まれたままの姿……というのもおかしいかもしれないが、とにかく瑞鳳は全裸になる。 「今なら格納庫……いっぱいまさぐってもいいよぉ」 「俺はそんなつもりじゃ……」 「いいからぁ」 呆けて痴態を晒す二人の人間と艦娘。 瑞鳳は司令をそのまま煎餅布団に押し倒す。 「司令は瑞鳳の何が欲しい?」 「……おっぱい」 司令は理性が飛んだ状態で言い出す。 「瑞鳳におっぱいないよ?」 「ある……すってもいいか?」 「うん、好きにしていいよ?」 司令は言われるがまま瑞鳳の乳首に吸いつく。 甲板胸と煽られても仕方のない。 瑞鳳の胸は平坦だった。しかし司令は必至で吸い付く。 「んっ。あはっ……司令ったら赤ちゃんみたいでかわいいなぁ……うふっ」 瑞鳳は司令の頭を優しくなでる。 「よしよし。司令かわいいなぁ」 これが正常な司令ならばどう考えていたかもわからない。 だが媚薬によって『艦娘LOVE』になっていた司令は、自らの瑞鳳への愛情欲求に素直になっていた。 「瑞鳳は……魅力的だ」 乳首を舌で舐め、転がし、優しく噛む。 小さい胸が瑞鳳へ性的快楽を強める。 「んっ! もっと優しく噛ん……うん。いいよ、司令だいすき……」 「瑞鳳の乳はおいしいな……」 「もう母乳なんか出ないよぉ……でも母乳出す方法ありゅかもしんない……」 「それは……」 「瑞鳳がぁ。しれぇの童貞を美味しく食べてぇ。人間と空母の卵を作ればぁ。母乳が出るかもぉ」 卵焼きを作るのではない。 卵を作るのだ。 本当に空母と人間で卵を作れるのかはわからない。 しかし今の瑞鳳は産卵する気満々である。 瑞鳳は司令のズボンを引っぺがす。 「えへへ……しれぇのおちんちん、駆逐艦の単装砲みたぁい」 媚薬効果もあってか司令の単装砲は空高くそそりあがっていた。 瑞鳳は単装砲に愛おしく頬ずりする。 「司令の単装砲ちゃんカワイイなぁ」 「うっ……瑞鳳……っ」 「司令も可愛いなぁ……瑞鳳の事、そんなに気持ちよくなってくれてるんだ。えへへぇ」 瑞鳳は単装砲をさすり、こすり、そして舌でなめる。 「うおっ!」 「司令の単装砲、食べりゅぅうううううう!」 瑞鳳は単装砲をそのまま口に咥えこむ! 童貞の司令にとっては未知の快楽が愛しい瑞鳳によって与えられ、悶絶する。 「んああああ瑞鳳……」 「もぐ……んっふっ。ちゅっ……」 瑞鳳は単装砲を美味しそうにしゃぶる。 テクニックがあるわけではない純粋なフェラチオ。 だが愛しい瑞鳳が自分のモノを美味しそうに咥えている事実が司令の艦娘への愛情を加速させる。 「瑞鳳……もうだめだ……射精るっ」 「だーめ!」 最後の一押しで口内射精しそうになった所で瑞鳳は単装砲を離す。 瑞鳳の唾液が司令の単装砲と淫らな橋を作るのを瑞鳳は未練たらしく見るが、ここが本番ではない。 司令は瑞鳳が口内に射精されるのを嫌がってたと思ったが違う。 「瑞鳳ね。司令の童貞をここでたべたいなー」 瑞鳳はくぱぁと自分の秘所を広げる。 瑞鳳の綺麗な髪の色と同じ毛がある。 だが司令はそれでも綺麗だと思う。 思うが最後の理性が押しとどめる。 「だ……めだ……」 「えぇ。瑞鳳のこと嫌い?」 司令は必死で泣きそうになりながらも首を横に振る。 艦娘への、瑞鳳への愛情を強化されつつも耐える。 「瑞鳳の事は……愛している。だが……人間と艦娘の子供がどうなるか……分からない」 78 :づほちゃん童貞を美味しく食べりゅ☆ ◆vUo//O.X1M:2015/10/25(日) 22 32 02 ID 1EsRa5KA 司令は最後の理性で瑞鳳を妊娠させることを拒んでいた。 瑞鳳を大事に思っているからこそ愛情ではその理性は壊せない。 だが瑞鳳はもはや我慢出来なかった。 司令の単装砲を自分の秘所まで向ける。 「でも瑞鳳、司令の童貞……食べりゅううううううっ!!!!!!」 そして腰を下ろして自分の秘所で司令の一物を咥えこむ……童貞を食べる! 「うおおおおおああああああっ!」 「アウトっ! アウトレンジッ! アウトレンジ決めましゅっ!」 「瑞鳳! 瑞鳳! 瑞鳳!」 「しれぇのどーてー食べちゃった! 瑞鳳のアウトレンジで食べちゃった! しれぇカワイイな! しれぇだいしゅきぃ」 「俺も好きだ! でも……瑞鳳をママにするわけにはいかないんだ!」 腰を必死で振る瑞鳳からの快楽と愛情を受けつつも司令は必至で耐える。 もう自分でも何故、瑞鳳に中出ししてはいけないのかわかっていない。 だが彼なりに瑞鳳をママにしてはいけないと考えている……何故? どうして? それも分からない。だが司令は瑞鳳を愛し、瑞鳳は司令を愛している。愛し合っているのに、こんなに気持ちいいのに分かりあえないのか。 「でも司令なんかかわいそう……アウトレンジしてるのに、アウトレンジしてるのに……瑞鳳のこと嫌い?」 「大好きだ!」 「瑞鳳もしれぇのことだいしゅきぃいいいいい!」 瑞鳳はなおも腰を振る。 だが司令はわけもわからず耐える。瑞鳳を護るため。 しかし快楽を通り越して激痛を耐えているようなものだ。 「瑞鳳がママになっちゃダメ?」 「だから……だから俺は瑞鳳を護る!」 「うれしぃ! ありがとぉ!」 会話は成立していないが、しかしお互いを想いあってるのは変わらない。 司令が無意識で瑞鳳を妊娠させない事を気遣っているように、瑞鳳は射精に耐える司令を救おうとしていた。 「司令と瑞鳳で人間と空母の卵つくりゅうううううううう!!!」 「瑞鳳ぉおおおおおお!」 瑞鳳は騎乗位のまま腰を振り、舌を絡めたキスをする。 そして耐える司令に対し、瑞鳳は最後の一押しをした。 「しれぇ! パパになっちゃえー!」 そして最後の一突き。アウトレンジ。 瑞鳳を妊娠させてはならないという理性で耐えていた司令だが、自分自身がパパになってしまう。 瑞鳳と自分の子供のパパになる。その瑞鳳の玉子焼き以上の甘い響きが司令の最後の一線を越えた。 「ずいほぉおおおおおおおおおお!!!!!」 今まで我慢してきたものが全て射精された。 瑞鳳への愛しさと快楽を込めたその全てを叩きつける。 「ひゃあああああああああっ! しれぇのがぁ。瑞鳳の膣内にいっぱぁいきてりゅ! アウトレンジぃ! アウトレンジしゅりゅうううううう!!!!!!」 出しても出しても止まらない。 瑞鳳は司令にキスをして更に高める。 「まだ出てりゅ! 出てりゅ! しれぇがパパになっちゃうぅうううううううう!!!」 「づほぉおおおおお! づほぉおおおおお!」 文字通りアウトレンジとしか言いようがない量が出る。 全てを射精し終えるまで永劫のような時が流れる。 「はぁ……はぁ……」 一度の大量射精で赤疲労になる司令。 瑞鳳は彼のたくましい胸板を舐めながら愛おしく語る。 「パパになっちゃいますね……あなた」 瑞鳳の『あなた』『パパ』呼ばわりを聞いて、司令の中で何かが切れた。 騎乗位になってた瑞鳳を逆に押し返す。 「あんっ! あなた!?」 「たまご! たまご作るぞずいほう!」 「うんっ! うんっ! やせんでぇ! にんげんとぉ! くうぼのぉ! たまごつくりゅうううううううう!」 その後滅茶苦茶夜戦した。 翌日。 「……ごめんなさい」 理性を取り戻した司令と瑞鳳は向かい合い、煎餅布団の上で瑞鳳は頭を下げる。 「さつき1号……いや『ろー』だったか? ドイツからの物資にあったな。アレを混ぜたんだろう?」 薬の効果が少し残りつつも、まだ理性的な事を考えられるようになった提督が指摘する。 「……はい」 「多分入れ過ぎだ。それに明石が量産しようとしているらしいが、次入れる時は量に気を付けろ?」 「怒らないの?」 「あの薬は人間に『艦娘LOVE』にするための、それこそ媚薬だろう。君たち艦娘はキスだけで興奮するのに人間はそうならないのは、アンフェアじゃない」 艦娘は人間を愛するように出来ている。 だがそれはあくまで一方的だと司令は思う。 人間も艦娘を愛さねば意味はない。 それに司令が瑞鳳を女として愛しているのも真実なのだ。 「むしろ謝らねばならないのは俺の方だろう」 司令は瑞鳳に向けて土下座する。 「ちょっ、なんで司令が謝るの? え?」 「艦娘と人間のハーフはどうなるか分からない。だから君に中出ししたくはなかったんだが……」 「もー。司令のこと大好きだけど、そういう所ヘタレだと思うな」 瑞鳳はそう言いながら司令に軽いキスをする。 「瑞鳳はちゃんと司令の卵を産むし、それまでには静かな海を子供に見せてあげるから……ね?」 「そうだな。いつか静かな海で、だ」 やる事は決まっている。いつか静かな海で。 「俺は誓うよ。ちゃんと瑞鳳を最後まで愛する。絶対沈めない。もし沈んでもちゃんと迎えに行く」 「ジュウコンカッコカリすりゅ?」 「俺はしない」 「……そういう所、瑞鳳があなたの事大好きな理由なんだよ。ちゃんと元気な卵、産むからね」 媚薬を使ってはいるが元々二人は愛し合っていた。 カッコカリであろうが結婚である事は何も変わらない。 「なァ瑞鳳」 「なあにあなた」 「空母って産卵するのか?」 「さあ……でもどっちにしてもちゃんと元気な赤ちゃん産むからね!」 「……ああ。君の子供のパパになるからな」 ~了~ これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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570 :告白、そして初めての夜:2014/12/31(水) 23 55 52 ID Ioys.4Is 「弥生、これを受け取ってくれ」 「これって……」 「いきなり俺の気持ちを押し付けたから怒っているかもしれないけど、 でもどうしようもなく君が好きなんだ。弥生、結婚してくれ」 「…………」 俺のプロポーズを受けた弥生は涙を流していた。 「怒ってなんて、ないですよ。でも、本当に貰っちゃって、いいの…?」 「君と一緒に歩いていきたいんだ」 俺の言葉を聞いて弥生はほんの少し、だけどとびっきりな笑顔を見せた。 そして覚悟したかのように、何かを待つかのように目を閉じた。 俺は弥生に口付けをした。お互いの一番柔らかな部分が触れ合っていた。 少ししょっぱかったけど、とても暖かくて幸せな初キスだった。 そして俺達はみんなから祝福されながら式を挙げ、初めての夜を迎えた。 「ごめんなさい、こんな小さな胸で……」 「謝らなくていいよ。俺は弥生が好きだから。それに……こうしていると弥生のドキドキと暖かさが直に感じられるんだ」 「……ありがとう…………」 「それじゃ、いくよ」 俺は弥生の乳首を舐めはじめた。舐め続けていくうちに少しずつ大きくなっていった。 俺はグミのような乳首を唇で甘噛みした。 「ンッ………!!」 弥生は声を出すまいと我慢していたみたいだが、思わず声が出たみたいだ。 俺は右手で弥生の髪に触れた。とても細くて、サラサラで、掴んでも掴めないようなとても綺麗な髪だった。 左手は弥生の秘所に触れていた。無毛地帯でありいかにも未成熟なそこは 濡れていたとはいえ小指でさえも容易に入るものではなかった。 俺は入口を指でなぞりつつ豆みたいな突起をやさしく撫でた。 「あぁん!……」 今までにない声。少しは感じていると思い、三つの行為を続けた。 そのうちに弥生のそこは拭っても拭いきれないくらい濡れてきた。 俺は今まで我慢していたモノを弥生のまだ何物も受け入れた事のない所の門に突き立てた。 「俺、初めてだからきっと優しくできないかもしれないけど…」 「いいよ、あなたの好きにして……」 その言葉に俺は腰を進めた。そこはまるで男を拒絶するかのように閉まっていて、 中々進めなかったが、俺は慌てる気持ちを必死で抑えて少しずつ進めていった。 雁首のあたりまで入っていった時、何かが破れる感じがした。その瞬間弥生は激しく目をつむった。 571 :告白、そして初めての夜:2014/12/31(水) 23 58 21 ID Ioys.4Is ふと結合部を見ると赤い血が流れていた。俺……弥生がずっと大事にしていた処女を奪ってしまったんだ…… 感傷に浸っていたかったが下手したらすぐに達してしまう。俺はなるべく落ち着きつつゆっくりと腰を進めた。 やがて先端が固い所に当たった。しかし俺のものは根本まで入っていなかった。無理すれば入るかもしれないが…… 「ごめんね……あなたを全部受け入れられなくて………… だから…私に構わずいくらでも気持ち良くなって……」 弥生はそう言っていたが、俺は弥生を全く気遣わないなんてことは出来なかった。 俺は少しずつ動いた。最初は痛がっていた弥生だったが、徐々に滑りが良くなっていくと痛みとは別の声が聞こえた。 弥生の声が快感を伴ったものになるにつれどんどん滑りが良くなり、俺の腰の動きも速くなる。 そしてとうとう限界を迎えようとしていた。 「弥生……もう……」 「いいよ……来て……あなたの全てを……頂戴…………」 「弥生……愛してる…………ッ!!」 俺は全力を込めて腰を打ち付けた。 俺の中からどんどん溢れて流れ出していくような感じがした。弥生は俺の全てを受け入れていた。 「ふぅ………ふぅ………」 「うぅ……あなたの暖かさが……私の中にたくさん溢れてる……」 俺は弥生をきつく抱きしめていた。弥生はか細く、冷たいような印象で、 強くすれば儚く壊れてしまいそうな雰囲気の少女だったが、 今ここにいる彼女は折れることなく、確かに暖かにそこにいたのだった。 「弥生……ありがとう……」 「私も……ありがとうって……言いたい…です……私の大切な処女を……あなたが貰ってくれて…… あなたの童貞を……私が…貰えて……」 互いの暖かな想いが二人の全てを繋げていた。そしてその二つの暖かな想いはやがて一つの確かな想いになるのだろう。 その日がいつになるのかわからないけど、俺はその日まで……いや、ずっと彼女を愛し貫く事を誓った。 ―終― これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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24 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/21(水) 18 39 47 ID RrFpRabc 悪い男に引っかかりそうな艦娘の話だが蒼龍を忘れてもらっちゃ困るね あの町娘感は完全にたらし込まれる系女子のそれ しかも巨乳だし 72 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/22(木) 15 18 46 ID 1lBz.fic 24 たまに優しくシてくれる提督のために来る日も来る日もオリョール海に潜り続ける伊58 出撃数は鎮守府一。馬車馬のように働いていると言っても過言ではない ある日特別な任務だと聞かされて潜った後に大本営へ。腕組みしたお偉いさんから書類一式を受領して帰還する これはもしかして今ウワサになってるあの・・・!?と期待するも 「ご苦労、下がっていいよ」 そして翌朝、綺麗な指輪をはめた戦艦が提督の私室から出てくるのを目撃する 濁った瞳の潜水艦は今日もオリョール海へ出撃して行った けっこうな数の鎮守府に現在進行形で悪い男に引っかかってる潜水艦がいそうですね 73 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/22(木) 16 18 14 ID Otg/4d7s 72 そんなゴーヤを抱きしめたい 74 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/22(木) 20 34 33 ID 1Ue1L.B6 う、ウチはちゃんとケッコンする嫁に取りに行かせたし… ゴーヤちゃん99で放置してるけどジュウコンしたくないだけだし… 75 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/22(木) 22 01 38 ID frsvfJFQ そもそもレベル90以上の艦娘が、嫁と決めた翔鶴さんしかいない俺には関係なかった 76 名前:名無しさん[] 投稿日:2014/05/22(木) 22 32 04 ID dQ5Ksx7Y 74 人によっては肩身が狭い艦隊になりそうだな。 「提督、私まだレベル85デース」 「榛名は大丈夫です……榛名は……」 「レベル92……くっ、一航戦の誇り失う訳には」 「いずれは五航戦の子と同じ(レベル)に……」 「ちょっと、引きこもります」 多分、今までにないきっぱりとした声で言いそう。 まぁ、実はもう一艦レベル99だったんだけど、まぁちゃんと嫁艦入れてるから勘弁してくれ。 寝る度に「不知火に落ち度でも」とエンドレス聞こえて来るのは疲れてるんだ、きっと。 77 名前:名無しさん[] 投稿日:2014/05/22(木) 23 11 32 ID WxXk4F8I ゴーヤ「春闘でち!」 提督「残念だが、現行法において軍人には団結権、団体交渉権、争議権は認められていない」 ゴーヤ「なん…だと…」 提督「というわけだ、とっととオリョクルいくぞ。でち公」 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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如月ちゃんのSSを投下します 色々な二次創作の影響なども含めた独自設定が多数ありますがご了承ください 「あぁ~ん、如月が一番なの?まぁ当然といえば当然ね。いいのいいの、あまり褒めないで」 テストの順位が学年トップということに喜ぶ少女如月。 彼女はこの地区でも評判の天才美少女である。 「みてみて~、この輝く名前。あはっ、もっと近くで見てよ」 如月が学年トップの証である金文字で書かれた自分の名前を指差しながら言う。 だが俺はそれを複雑な感情で見つめるしかなかった。 彼女はなんて頭が良いんだろう。そんな気持ちが心を暗くする。 あまりにも輝いている彼女を見ると馬鹿な自分自身に情けない思いがしてくる。 別に俺は自分の頭が悪いということに劣等感を抱いているわけではない。 勉強以外にも多くの事をやりながら勉強でも優れた成績を残せる彼女の能力が羨ましかった。 休み時間はほとんどの場合心理学についての本を読んでいて、昼休みなどの長い休み時間だと球技をしたりするなど 落ち着いた物腰ながら時に意外と活発な才女であった。 色んな人達のお役に立ちたいらしく、休日はおろか平日もボランティア活動していることがあった。 勉強が出来るというだけで頭が良いという事にはならないだろうが、 色んな所で色んな活動して賞とかも貰いながら学業でも学年トップの成績を叩き出す…… 沢山の事を高いレベルで成し遂げられるのは間違いなく頭が良いと言わざるをえないだろう。 そんな輝く彼女を見ていると何だか胸の中がもやもやとしてきた。 別に彼女の事を嫌いだとか気に入らないとか、そういうわけではない。 どうでもいい存在なら軽く流せるものである。 むしろ好きでなければどんなに楽かと思うくらい昔から大好きだった。 大好きだったがゆえに彼女に引き付けられ、そしてその輝きを見せ付けられ、力なき自分の情けなさを付き刺される。 レベルが違いすぎて彼女に釣り合わず、いつか俺から離れてしまうのではないかと思ってしまい、 ある日図書館で一種に勉強していた時、彼女は問題を解けたのに俺は問題を解くことができず、 普通なら泣くなんてことは無いはずなのに 思い詰めていて精神的に追い詰められていたためか、思わず泣き出してしまった。 「ど…どうしたの………かしら……?」 俺が突如泣き出してしまった事には如月もさすがに驚きを隠せなかったようであった。 「お兄さん……答えが空欄…」 横から無表情な女の子が見るからに答えが埋まっていない俺のノートを覗き込んで言った。 覗き込んだ少女の名前は弥生。如月の一つ下の妹であり、姉に優るとも劣らぬ天才美少女だ。 美少女だけど無表情…それも怒っているように見える上に 自分から周りに溶け込もうとすることが少なかったため周りからはいつも気を遣われていた。 如月はそんな引っ込み思案にも見える妹を引っ張っていってくれる優しいお姉さんだった。 ちなみに俺もたまに弥生を引っ張っていくことがあった。 如月と自然に会うためという意図もあったし、俺自身かわいい女の子をほったらかしにしたくない的な思いもあった。 「問題が解けなくて悔しいのね……」 「…………」 俺は何も言えなかった。否定も出来なかった。 「だったら私が勉強を教えてあげるわね。わからないことがあったら遠慮なく聞いてもいいわ」 「本当に……?」 「本当よ」 「……ありがとう……」 こんな情けない俺に優しくしてくれる如月に俺の涙は益々止まらなかった。 でも、それ以来俺の心から暗さが消えていった。 きっと如月が俺の事を悪く思っていないって感じ取れたからかもしれない。 そして夏休みに入った。部活が休みだったある日、朝から図書館で如月と一緒に数学の宿題をしていた。 一緒に宿題と言っても如月は簡単に問題を解き、余った時間で心理学の本を読んで……なくて眠っていた。 如月にしては珍しい。しかし如月の寝顔って穏やかだなあ。いつも笑みを絶やしていなかったからこれは新鮮だ。 俺はいつまでも見ていたかったが宿題をやらねばならないからと涙を飲んで勉強に集中した。 俺は中々問題が解けなかったが、如月に情けない姿は見せられないと 諦めずにわからない問題は後回しにし、教科書を見ながら問題を解いていった。 「……あー、もうこれ以上わからん!」 「ん………あら、終わったのかしら?」 如月が目を覚まし、何事もなかったかのように俺のノートを見る。 「……………………結構出来てるわね」 「そうか?答え合わせしなきゃ合ってるかどうかは…」 そう言って俺は一緒に答え合わせをした。驚いた事に如月の言った通り、解いてある問題に関してはほぼ正解していた。 間違っていた問題も如月が解説してくれた。もっとも、如月の言っている事は天才にありがちそうな概念的なものであり、 理論的ではなかったからか俺には全ては理解できなかった。 「はぁ…やっぱりわからない所はどれだけ聞いてもわからん」 「ごめんなさい、お役に立てなくて……」 「いや…気にしないでくれ…俺の頭があまり良くないだけだから…」 「そんなこと無いと思うわ。このドリルの問題、あなたは結構正解していたじゃないの! あなたはやろうとしないから出来ないだけでやればデキル子なんですっ!!」 如月はこう見えても結構負けず嫌いな所がある。双子座は負けず嫌い精神とは程遠いはずなのに。 あ、ちなみに如月の名前の由来は戦前の軍艦如月からであり、軍艦如月の進水日、 つまり海に初めて出た日の6月5日に生まれたから如月と名付けたらしい。 一方俺もどっちかと言うと負けず嫌いではある。ただ誰に対してもというわけではなく、 特定の誰かに対してという面が相当強い。 俺の場合、表も裏も蠍座の男だからか蠍座特有の一点集中力が非常にマズい方向に働き、 よりによって大好きな女の子に対する負けず嫌いな心が生まれていた。 俺が好きな子を相手にした時ほど負けず嫌いになる理由は多分その子より劣っていたら その子から好かれないんじゃないかという思い込んでしまう一種の強迫観念なんじゃないかと最近思えてきた。 はっきり言って面倒臭い人間だ。他の人に対しては負けてもそこまで気にしない…… いや、気にしないというよりもどうでもよくなってしまうといった方が正しいのかもしれない。 好きな子に対しては前述のような理由や、注目してしまうことから優劣を深く考えてしまうのだろう。 もうちょっと気にしないようにすればいいのに…… 「そもそもそのやろうとする気とか、そういったものがあまり出にくい時点でやっぱり頭が良いなんて言えないんじゃ…」 頭ではわかっていても心では理解しきれていない所とか治した方がいいのに つい打ち負かしたくなり俺は続けようとするが… ぎゅるるるるっ…… 「…………」 「…………」 口論の最中急にお腹がなった。ふと気になって時計を見たらなんと既にお昼の時間は過ぎていた。 「……こんな時間まで集中できたなんてやっぱりあなたは頭は悪くないと思うわ。 それじゃ今日はこのくらいにして、お昼に行きましょ!」 空腹だったからか、俺は如月の言葉に言い返す気も起こらず、如月に誘われるまま昼食を食べに行った。 「しかし如月はどうしてそこまで数学が得意なんだ?羨ましいよ」 オーダーして料理が来るまでの間、俺は如月に率直に疑問を聞いた。 「それはね……砲弾を撃った時の速さと相手の速さを計算したり、 魚雷を撃った時の水の抵抗がどれ程なのかを計算して確実に相手に攻撃を当てるためよ」 「…………将来自衛隊か軍隊か何かに…」 「な~んちゃって」 「ったく、冗談はやめろよ。心理学について勉強してるってのも俺を上手くおちょくるためとか言うんじゃないだろうなあ」 「それは違うわ。だって心理学とか関係なくあなたはおちょくりやすいですし…」 「何だと!」 「…私が心理学を勉強しているのはね、相手が何を求めているか、何をすれば役に立つかってのがわかりたいからよ」 ふざけた話の後に真面目な話をするというのも心理学の応用なのだろうか? 俺は何を言おうか考えている内に頼んでいたメニューがテーブルに並べられた。 料理が出た以上手を付けないのはまずいだろう。俺達は料理を食べはじめた。 「ああ、やっぱこの季節の冷し中華はおいしいなあ」 「…………」 物凄い勢いで美味しそうに冷し中華を食べる俺の姿を見た如月は自分が食べる事も忘れて半ば呆然と俺を見ていた。 「いやあ、食った食った……」 「……とても嬉しそうだったわ……そんなに美味しかったのかしら?」 「ああ、夏はやっぱり冷し中華だよな」 自信満々に言い切った俺の姿に如月は気圧されながらも何だかとても嬉しそうだった。 「そう…よかった、お食事に誘って。さっきまでとっても暗い感じだったのにご飯を食べたら急に元気になっちゃって…… あなたの笑顔を見てるとこっちまで元気になっちゃうわ」 「そうか……如月、さっきは言い過ぎてごめんな」 俺はさっきの口論の事について謝った。 「別に気にしていないわ。あなただって色々と不安とかあったりしてあんなこと言ったんでしょうし…… それにお腹が空いていたのですから苛々とするのも不思議じゃないわ」 「だけど平常な時じゃなくて非常時に取る態度や行動こそがその人の本質に近いんじゃないかと思うと…」 「もう!あなたはいつも自分を責めすぎよ!そんな姿ばかりだとこっちまで落ち込んじゃうじゃない!」 「すまない……」 「…それにね、あなたは自分を過小評価し過ぎなのよ。失敗した時の事ばかり考えているし…… それも大事だけど、まずは何事もやり出す事から始めないと。 大丈夫よ、あなたはちゃ~んと集中力はあるんだから、 もっと集中できるようになるときっと結果は出るわ」 力説する如月に俺はもう余計な事は考えないようにしようと思った。 「ところで今度の土曜日はお暇かしら?」 「んー…特に予定はないな」 「じゃあ船に乗ってちょっと離島にでも行かない?」 「離島か…でも俺達だけで行くのも親達に心配を…」 「大丈夫よ、日帰りだから。朝は少し早いけどね」 「そうか……じゃ、行くよ」 「ふふっ、ありがと…」 「ん……弥生ちゃん?」 ふと振り返ると弥生ちゃんが立っていた。 「あ…気にしないで…」 「弥生、あなたも今度の土曜、離島にでも遊びに行かない?」 「いえ…お二人の邪魔を…」 「みんなで一緒に行った方が楽しいと思うよ」 「……わかりました。一緒に行きます…」 弥生ちゃんは少し申し訳なさそうに答えた。 そういえばこの子は昔から相手に気を遣うタイプなんだよな。 自分は気を遣われることを気にしているのに。 しかし弥生ちゃんが気を遣ったということは俺が如月を好きだと気付いているか、 あるいは如月が俺に対して何か思うところがあると思っているのか。 「決まりね。それじゃ、早速水着を買いに行きましょ!あなたも一緒に来て」 「ああ」 如月に誘われて二つ返事で了承した俺。荷物持ちか何かだろうと思いあまり考えなかった。 「見て見て~、この輝く肌。あはっ、もっと近くで見てよ。どうかしら?」 ピンクのビキニを試着した如月はそう言って胸を強調するようなポーズで感想を求めた。 「……うん…綺麗だと思う……」 何だか恥ずかしくてあまりまともに見られない俺だった。 「褒めてくれてありがとう。好きよ…」 「ッ!?」 「な~んちゃって」 「くっ、からかわないでくれ」 「でもよかった、喜んでもらえて。Bカップの水着でかわいい水着ってあまりなかったから」 俺を恥ずかしがらせたいのか、そういったことは結構包み隠さず言っちゃう如月だった。 「あれ?弥生ちゃんは?」 如月と一緒に着替えた弥生ちゃんはどうしたんだろう。 「あ、ほらほら、弥生も隠れてないで見せてよ」 如月はカーテンに隠れていた弥生ちゃんを誘い出した。 弥生ちゃんの水着は水色を基調としたセパレートの水着だった。 チャームポイントの細いお腹も強調されていてなんとも可愛らしい。 「可愛らしいね」 俺は素直な感想を言った。弥生ちゃんもとっても可愛い。 もし如月がいなかったら俺は弥生ちゃんを一番に好きになっていたかもしれない。 もっとも、如月がいなければ弥生とここまで親しい関係になれたかどうかはわからないが。 「ありが…とう……嬉しい…です……」 恥ずかしがりながらも感謝の気持ちを述べる弥生ちゃん。顔もいつもより少し赤みがかっているような気がした。 「それじゃこれで決まりね」 そう言って如月達は着替え直し始めた。 土曜日、朝早く俺達は船に乗って離島に向かった。 「風が気持ちいいわね…」 「そうだなー。弥生ちゃんもそう思…弥生ちゃん!?」 「…ん……あ……ごめんなさい……」 弥生ちゃんは立ったまま眠っていた。なんとも危なっかしい。 「仕方ないわ、こんなに朝早かったんですもの…ふぁ~…」 あくびをする如月。そういえば目がとろんとしていたなあ。 「あ……ごめんなさい……」 「いや、気にはしてないよ。そういえばこの前図書館で勉強していた時も眠っていたよな。 如月にしては珍しかったよ。如月はそういう所がしっかりしているからすごいことができるって思っていたからさ」 「突発的なことがあれば予定も狂っちゃうわ」 「そこら辺も含めて余裕あると思っていたけどな。まあいいや。それじゃコーヒーでも飲まないか」 「コーヒーは…ちょっと苦手……」 「それにコーヒーなんて飲んだらお花を摘みに行きたくなっちゃうわ」 俺はわかったようなわからんような、そんな顔をしながら話題を変えた。 「しかし平和だなあ。とても恐怖の大王が世界を滅ぼすとは思えないよ」 「恐怖の大王って…そんなの信じてるんだ」 「ノートルダムとかいう預言者が言っていただろ。1999年の7月に恐怖の大王が世界を滅ぼすとかさ」 「ノートルダム?」 「ああ、ラテン語でノストラダムスと言うんだ。二万年前のアトランティスの人間じゃないと思う」 「よくわからないわ……」 そりゃあ漫画の知識だからだ。それも如月が買うような漫画ではない。 如月が俺の家に来て勝手に読むとかで知ったりする可能性もあるけど。 ……ん?海の上に誰か立っている?いやそんなはずはない。きっと蜃気楼だ。そうに違いな… 「え…あれは……」 “それ”をみた如月は驚いた顔だった。そしてその一瞬の後 「危ないっ!」 珍しく声を張り上げた弥生ちゃんが俺達の前に立ち、直後爆発のようなものに吹き飛ばされる。 俺は吹き飛ばされた弥生ちゃんに駆け寄った。弥生ちゃんは痛そうに呻いていた。 よく見たら弥生ちゃんは弥生の通っている学校の制服を着ていた。 だがそれはボロボロな上に金属片みたいなものも散らばっている。 「みんな、逃げて!!」 如月が声をあげて叫ぶ。 「待てよ、一体何が…?」 俺は疑問を聞こうとして、ふと如月が見つめていた方向に目をやった。 そこには異様なまでに白い肌をした女の子… 頭に得体の知れない化け物みたいな帽子を被った女の子が立っていた。彼女も服がボロボロだ。 「まさかもうこんなに…狙いは私達?」 「一体何なんだよ、あれはっ!」 「みんな逃げて!!ここは私が何とかするわ!!」 いつも穏やかな物腰だった如月にはありえないような口調。それに圧倒され、 俺は弥生ちゃんを抱え、回りのみんなと一緒にその場から逃げ出した。 船内に入る直前、如月が心配で如月の方に目をやった。 如月の服はボロボロではあったが、俺達の学校の女子の制服に着替えられていた。 それに船の一部分のような形のものを背負っていた。 「うぅ……如月……」 「無理するな!」 「でも、如月一人じゃ…」 「本当に何なんだよあれは!」 「あれは…深海棲艦……」 「しんかいせいかん?」 「如月も大破してるから…助けに…行かないと…」 「じゃあ俺が助けに…」 「ダメ!……普通の人間じゃ、深海棲艦には何も……」 「新幹線だか何だか知らないけど、このまま黙っていられるか!」 俺はお約束みたいな言い間違いをしながら弥生ちゃんの制止も無視して如月のもとへ向かった。 先程のギャグ的な言い間違いなど言えるような状況と言えないほどそこは恐ろしい現場であった。 甲板は荒れ果て、如月は服がさっきより破ている状態で倒れていた。 これは映画の撮影かなんかじゃないかと思ったが先程避難勧告が出ていたことを考えたらそれはない。 ならば夢を見ているのか?それも違う。俺は昨日早く眠りについた上に今日はコーヒーを二杯も飲んでいた。 だからこれは今現実に起きている出来事なのだ。 倒れている如月に手に持った杖でトドメを刺さんと言わんばかりに化け物みたいな女は近付いていった。 このままでは如月が!そう思った俺は先程拾っていたデッキブラシを構えながら気付かれぬよう近付いた。 相手は如月に気を取られているのかこちらに気付いてないようだった。デッキブラシに力を込めながら背後から近付く俺。 化け物女が如月にトドメを刺そうと杖を掲げたその瞬間、俺は全力でスイングした。 化け物女は驚いた声をあげながらよろめいた。腕の力だけではなく、腰や全身を使ってスイングしたのだ。 どんな奴でも背後から気付かれぬ内に攻撃されて平静ではいられないものなんだな。 俺はとにかく叩き続けた。好きな女の子を酷い目にあわされて黙っているわけにはいかなかった。 だが攻撃もむなしく俺は化け物に逆に杖で殴り飛ばされた。 「うおぁっ!」 殴り飛ばされる直前辛うじて避けたものの完全には避け切れず攻撃が俺を掠めた。 だがそれでも相当なものだった。少し触れただけなのに衝撃波か何かによって弾き飛ばされた。 「ぐわあぁぁっ!!」 俺は何とか頭は打たなかったものの左手を床に打ち付けてしまった。激しい痛みが走った。 俺は恐怖した。人間ではこの化け物に勝てないと。 「くっそーっ!」 だが俺は自らを奮い立たすかのように声をあげて必死に抵抗した。落ちていた金属片を片っ端から投げつけた。 しかし野球やってるとはいえ狙いをつけて投げたわけじゃないから上手く当たらない。 もっとも、仮に当たったとしても大したダメージは与えられないだろうが…… 「くっそっ!!」 「………」 化け物は自らの無力さに叫ぶ俺にトドメを刺そうと杖を振り上げた。その瞬間だった。 ドゴォォォォン!! 化け物の背後で爆発が起きた…いや、化け物の背中が爆発した。 倒れる化け物。その背後には如月と同じ格好… だがボロボロの如月と違って綺麗な身なりのショートカットの少女が 小さな大砲のようなものを構えながら如月を庇うかのように立っていた。 「間に合った………」 「き……君は……?」 「あなたでは如月を守れない……幸せにできない…………」 「な、何を……」 「やはり私じゃなければ…この子を…」 ショートカットの少女はこちらの質問に答えようとせず、 僅かに蔑むかのような目で俺を見ながら意味のわからぬ独り言を呟いていた。 「そうだ、如月は!?」 「…………」 「大丈夫…少し傷があるけど… 艤装が大破して激しく見えるけど命に別状はないわ… 今は気を失っているだけ……」 「……それならいいけど………あいつらは一体何なんだよ!!それに君も!!!」 俺はあまりにも気になる疑問を率直にぶつけるしかないのだった。 「心配かけてごめんね。もう大丈夫よ。弥生も元気になったし」 あれから一週間。俺達の…いや、世界の状況は一変した。 深海棲艦という未知なる化け物が世界各地の海で暴れ回り、海路だけでなく空路すら断絶させられていた。 深海棲艦は既存の兵器等がまったく歯が立たない存在で、 その正体は第二次世界大戦の亡者達(人だけではなく艦等のモノも含む)が世界中の悪意と融合した存在と思われている。 そしてその深海棲艦に対抗できるのは、同じく第二次世界大戦の亡者の力を借りた艦娘という存在だけだった。 「はっきり言って今でも信じがたいけど……でもあれを見てしまった以上信じなきゃいけないだろうな。 それに世界中でも暴れているってのがメディアの報道でもわかるし。 けど実はあの時よりずっと前から深海棲艦ってのがいたんだな」 「ごめんなさい、隠していて……でもあの時は今ほど深海棲艦は出没してなかったの。 一般的には精々ネッシーを見たとかそういった程度の認識だったのよ」 「まったく……預言者ももうちょっと気を利かせて対策でも見つけてくれたらよかったのに……」 ノストラダムスの預言が見事的中した形で深海棲艦が現れたわけだ。 だがその預言があったために深海棲艦という存在が終末思想が蔓延っていた世界にすんなりと認められ、 それに対抗する艦娘という存在もあまり抵抗なく一緒に認められた…のだと思う。 ちなみにアンゴルモアとかいうのがいるかどうかは知りません。 「深海棲艦が確認されて、その後艦娘という唯一の対抗策が生まれたわ。 艦娘はその名の通り女性しかなれないもの。でも女性なら多かれ少なかれ誰でもなれる可能性はあるの。 私と弥生は10歳になった時に艦娘の素質があると教えられて艦娘になったのよ。 それからは人知れず訓練を重ね、秘密裏に深海棲艦と戦い続けていたのよ」 「そうか……………………」 俺は二の句が接げなかった。 彼女達の、ボランティアとかそんな話を超えた言わば使命の過酷さ、 そんな中でさえ学生としての本分を最高の形で成し遂げる力。 俺は恵まれた中でただ目的もなく毎日を過ごしている自分自身に怒りにも近い感情が湧き、 その感情を発散させるかのように飲みかけのはちみつレモンを一気に飲み干した。 「しっかし如月って本当に何でも出来るよなあ。そんなとんでもない敵と戦いながら、 勉強とか、その他色々なことだってちゃんと出来てるんだからさ」 如月は学年で一番頭が良いと言えるくらい頭脳明晰であり、多くの章を貰っていて、嫉妬したくなるくらい輝いている。 そんな彼女の名前を知らない者はいないと言いたくなるくらい有名だが、 彼女が名前を残そうとしているのは、彼女が悲劇の駆逐艦如月の魂を継ぐ者だからではないかと思えてきた。 駆逐艦如月は、かつて起こったあの忌ま忌ましい戦争で何の活躍も出来ぬまま沈んでいった。 知られていないというだけなら他にもたくさんの艦があるのだが、 他の艦は多少なりとも戦いでの活躍があるものの、駆逐艦如月にはそういった話は本当に何もない。 だからこそ、何の活躍も出来ず忘れ去られていった駆逐艦如月の無念が一人の少女に宿り、 今の時代にこの世界で名を残そうとしている…… 如月が有名になろうとしているかのごとく頑張っていたのはそんな理由があるのかもしれない ……俺はそう思っている。もちろん俺の勝手な想像だから実際のところはどうなのかわからないのだが…… 「まあ結構大変だったけどね」 ……あれ?いつもと態度が違うぞ。いつもなら当然だと言わんばかりに この年齢の女の子としてはある方な胸を張っているのに。 「私だって出来ないこととか、他の人に負けることだってあるわ」 負けず嫌いなのに弱音を吐くなんて… 「あなたは自分に自信が持てないみたいだけど、もっと自信を持って。だってあなたは強いんだもの」 「強い…って俺には戦う力なんてないよ。あの時だって全然役に立たなかったし…」 「違うわ。そうじゃないの……深海棲艦は強い。私だって戦っていてあまり無事ではない時もあるわ。 そんなのには普通の人間なんかじゃ手も足も出ないわ。でもあなたは勇敢に立ち向かった。 それは私を守りたかったからじゃないの?」 「…………」 「あはっ、あなたったらすぐに顔に出るんだから」 如月には敵いそうにないな。 「でも守りきれなかった……あの子にダメ出しされてしまうくらい……」 「あの子……睦月のことかしら?」 「ショートカットの女の子だったかな」 「そうよ睦月よ。その子がどうかしたの?」 「あの子、俺を見て守れないとかなんとか……」 「あの子はね、小さい頃に両親と妹を深海棲艦に殺されたの」 「なんだって!?」 「その頃は深海棲艦の存在は公じゃなかったけど、あの子を助けて引き取ったのが深海棲艦を研究し対抗していた人達なの。 彼らから話を聞いた睦月は深海棲艦への復讐の為に艦娘になったって聞いたわ。私が艦娘になった年齢よりも幼い年齢でね…… だからかしら。私の事を妹のように扱っていたわ。私が『如月』であの子が『睦月』である事と関係あるのかもね…」 睦月…って子はとにかく如月が大切な存在なんだな。 もしかしたら俺が想う以上に如月を大事に想っているのかもしれない…… 「あなたと同じくらい私の事を思っているのかもしれないわね」 俺の考えを見透かされたかのような……!?如月は俺の気持ちを知っているのか!? 「睦月は戦いの中でいつも私を守ってくれた。そしてあの時のあなたから睦月と同じくらい私への想いを感じたわ。 実はね、今までもあなたの気持ちには薄々気付いていたの。別に嫌じゃなかったし、結構楽しかったわ。 でもあの日あの時、命をかけて私を守ろうとした。 あの時からなんだか私の心がちょっとおかしくなっちゃったみたい。 もしかしたら恋しちゃったのかもしれないわね…… ……後悔はしたくないわ。だから聞いて。私と……………………セックス…………して…………」 ……………………は? 思わずそう言いたくなるくらい俺は耳を疑った。 「ソレって…つまり赤ちゃんを作るってことだろう?俺達がそんな…」 「それもそうだけど、でもそれ以外に愛を確かめ合うって意味もあるわね」 俺も男の子だ。そういったことに興味がないわけではない。というか凄く興味深々である。 そういうことは気持ちいい事って聞いたから一度はやってみたいと思ったことはある。だけど………… 「心配しなくても今日は大丈夫な日だから」 「大丈夫とかそうでないとか……そういう問題なのか?」 いざそんな場面になるとその気になれなかった。 嫌という意味ではなく、何故という意味もあったし、 もしもの時の事や未知の行為への不安などもあった。 「…………私達ね、あなたとお別れしなくちゃならないのよ……」 「…………え?」 如月が目を潤ませながら言った。 「深海棲艦が現れ、その存在が公になって艦娘達は横須賀の鎮守府へ行かなくちゃいけなくなったの。 だからあなたとはもう二度と会えなくなるかもしれない……」 「そんなこと…」 「私達艦娘は深海棲艦と戦う。戦うということは場合によっては死んじゃうかもしれないのよ。 だから今しかないの。あなたとの思い出を作ること、 そして、あなたの心の中に私を刻み付けることができるのは……」 如月は多分…いや間違いなく覚悟を決めていた…のかもしれない。 俺は涙を流していた如月を信じ、その想いを受け止め、そして………… 「ん………………」 如月の唇に自分の唇を重ねた。 それはとても暖かく、柔らかく、幸せなものだった。 初めてのキスはレモン味という話を聞いたことあるけど、 さっきまで飲んでいたはちみつレモンのせいか、本当にそんな味がした。 「そう…そこよ……」 俺は如月に導かれるままに彼女の股に…初めて見た女性のあそこにちんちんの先端を当てた。 皮をかぶせていたまま当てていたが、こうやってするものと言われて如月によって剥かれた。 「本当にいいのか……」 「い、いつでも…大丈夫…ですわ……」 俺にも余裕はなかったのだが如月も余裕がなさそうなのは言葉から感じ取れた。 「じゃあ…行くぞ…!」 俺はあえて興味本位の感情を強く出して迷いを捨て、如月から求めているんだと自分に心の中で言い聞かせ、 ちんちんに力を入れて進めようとした。 だが如月のそこは阻むかのように俺を受け入れようとしなかった。 如月は少し痛がっていたが、俺は余裕なんてなかったため力任せに何回も突いた。 如月の我慢混じりの小さな悲鳴が聞こえたが、気にせずに何回も繰り返した。 そのうちぬるぬるした感触とおしっこをしたくなるような感覚に似たものを感じるようになったがまだ入らなかった。 俺は一旦腰を止めた。如月が少しきょとんとした感じの顔になった気がしたが、 その間に俺は力を溜め、そして一気に突っ込んだ。 ブツッ!!!! 何かが破れるような感じと音がして、俺のちんちんは如月の中に入っていった。 「あっ!!ぅ……ぐっ……!!」 如月は大声をあげるもすぐさま我慢した。 我慢した時に力が入ったからなのかはわからないが 如月の中に入っていった俺のちんちんが強い力で締め付けられた。 その瞬間何かが解放されるような感覚がした。 びゅるっ…… 音にするならそんな風な、そういう感覚が次に来た。 おしっことは違う、なんだか気持ちいい感覚が続いた。これが射精というものだろうか。 知識としてはあった俺だったが、実際にそうなったことは記憶の限りでは今までなかったのだ。 俺が気持ち良さを味わいながらも考えている内にそれは終わった。 「はあ…はあ…」 「っ…………」 「………如月、大丈夫か!?」 全てが終わって冷静になった俺は目の前で複雑な表情をしていた如月の心配をした。 「大丈夫……ですわ………」 どう考えても大丈夫という気がしなかった。 「なにもかも…初めてですもの……初めては…痛いもの…だから………」 痛いもの…………俺はちんちんを入れた場所を見た。そこからは赤い血が流れていたからだ。 「如月っ!ごめん!」 俺は謝った。如月を傷つけてしまったと思ったからだ。 「気持ち……良かった……?」 如月は気にしていないかのように俺に質問を投げかけてきた。 正直言って今の如月を見ていると自分だけが気持ち良かったとは言い難かったが、 気持ち良くなかったと嘘をついてしまえば痛みに耐えてくれた如月を傷つけてしまう。 俺は正直に気持ち良かったと答えた。 「良かった…………」 如月は涙を流しながらも笑みを浮かべた。それは嬉し泣きをしているようにも見えた。 「それじゃすぐ抜く…」 「抜かないで!」 「っ……いや、でも如月が…」 「私は大丈夫よ…それにあなただってまだやり足りないみたいだし……おちんちん、まだ硬いわよ」 「……わかったよ……」 俺は如月に言われた通りちんちんを抜かなかった。 「……動かないの?」 「動く?」 俺は如月をぎゅっと抱きしめたまま動かなかった。 「そう…抜ききらない程度に抜いて、もう一度入れて、また抜ききらない程度に抜いて……それの繰り返しよ」 「そうだったのか……」 入れるだけのものだと思い、動くものとは知らなかった。 俺は如月を傷つけないようにちんちんをゆっくりと引いた。 擦れた感覚がとても気持ち良く、思わず突き入れてしまった。 「っ……!」 「あっ、ごっ、ごめん!!」 「…いいのよ……続けて………」 「ああ……」 如月に言われるがまま腰を動かした。如月を気遣うかのように最初はゆっくりと快感を我慢しながらだったが、 如月の声が我慢しきれなかった悲鳴のようなものではなくなってきて徐々に動きを激しくした。 そして俺は再びあの感覚に襲われた。 びゅるるっ!! 精液を再び如月の中に出していた。 今度は奥深くに出すように腰を強く押し付け、如月を強く抱きしめていた。 如月も俺の体を力いっぱいぎゅっとしていた。 「あなたの気持ち良かったっていう証がこんなにたくさん…ありがとう…… 私も好きよ…………大好き………………」 お互いに何回も何回も求め合った。 最後の方は俺は気づかいなどなしに自分の快楽の為だけに腰を振っていた。 だが如月は俺を受け入れてくれていた。その顔には笑みが浮かんでいた。 そして俺への好意の言葉はいつものような冗談めいたものではなく、 声にならないような、切ない涙声が俺の心を震わせた。 「ギリギリまで一緒にいたい……」 それは俺も同じだった。本当は如月を戦いに行かせたくない。 危険な目に会ってほしくない。変わらぬ日常をずっと一緒に過ごしていたい。 だけど、彼女が戦わなければ他のみんなの変わらぬ日常が壊されてしまう。 子供のような理屈なんかで彼女を止めることなんてできやしない。 だから、今この瞬間を大事にしたかった。 全てが終わった後も如月と繋がり合っているこの瞬間を…… 「今日のこと……一生忘れないわ…… だから……あなたに、今は一つだけお願いがあるの…………」 『今は』……最後に、ではないのはまた会える日を信じていたからだろう。 そして、その言葉は俺にとって一生忘れられない言葉だった………… ―如月のこと…忘れないでね…― 《終》 +後書き 897 :名無しの紳士提督:2015/01/29(木) 20 16 34 ID UtuOToxs 以上です 精神的に微妙なときに書きかけていたものを形にしました 相手を提督以外で書くのは初めてですが 子供的な考えとかの表現が上手くできたかわかりません それでは これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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501 :名無しさん@ピンキー:2013/09/21(土) 22 17 17.88 ID 5PxFhVs+ 不知火「司令、ゴミ箱を妊娠させるおつもりですか?」 司令「それよりも不知火を妊娠させたいな」 不知火「ご命令ならば」 近代化改修中 不知火「妊娠しました」 司令「ああ…俺と不知火の愛の結晶が」 天龍「……どういう身体の構造してんだ、不知火は?」 518 :名無しさん@ピンキー:2013/09/23(月) 21 03 58.03 ID Gik3WI7D ショタ提督「あ、あ、愛宕お姉さっ!ぼ、僕のおちんちんた、食べちゃダメ」 愛宕「提督のおちんちんとっても美味しい」 シ「お、おっぱい…おっぱい飲みたい」 愛「もう、甘えんぼさんね。はい、どうぞ…召し上がれ♪」 愛宕さんはこれくらいしか思いつかん。
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386 :名無しの紳士提督:2014/09/18(木) 02 32 08 ID dRGPAu3I 可変式家具 枕二つのベッド ケッコンカッコカリをした艦娘を旗艦にしクリックすると暗転の後… 387 :名無しの紳士提督:2014/09/18(木) 10 00 53 ID Z2Xa6GrI 五番目の建造ドックが開いて 388 :名無しの紳士提督:2014/09/18(木) 10 30 01 ID IxAaNb3o*開発中*残り時間6719 59 48 389 :名無しの紳士提督:2014/09/18(木) 12 36 36 ID Z2Xa6GrI そして那珂ちゃんダヨー 390 :名無しの紳士提督:2014/09/18(木) 15 02 21 ID AI4.a3bs ケッコンカッコカリ後に共同建造システムとかあれば面白いのにな。 出来る海自艦娘 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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507 :3-91:2014/04/10(木) 13 23 49.87 ID bP3dsiIH 提督×吹雪で投下します いつも見えてる吹雪のパンツが気になって書いた エロ薄め。一発ネタ 508 :提督×吹雪:2014/04/10(木) 13 24 59.44 ID bP3dsiIH パンツとは男の夢である。 偶然見れたならもちろん嬉しさは倍増するが、そんな機会はなかなか訪れない。 ラッキースケベでなくともどうにかして見たいという思いは常に存在する。 ……ある時から俺は、秘書艦・吹雪のパンツを毎日見ることが出来るようになった。 「司令官! こちら、新しく配属された艦娘の資料です!」 吹雪が書類の束を抱えて入ってくる。 「ああ。ちょっと手元のデータと照合するから、そこで待っててくれるか?」 「はい!」 俺の言葉に吹雪は元気よくうなずき、行儀正しく、執務机の前で「気をつけ」の姿勢をとって待つ。 ベストポジションだ。 俺は抜け目なく、目の前のパソコンに指を走らせた。 このパソコンは、鎮守府に着くと自動的に支給されるもので、どの提督の机にも一台ある。 資源の収支や艦娘のデータなど、機密に属する情報で溢れた、大変貴重なものだ。 ちなみに俺のパソコンは、以前この鎮守府にいた前任者が使用していたものらしい。 その中に一つの秘密のプログラムが存在するのを、俺は発見したのだ。 いま俺が起動させたのが、ソレである。 「どれどれ……問題ないと思うが、とりあえず確認していかなきゃな……」 などと、さもマジメに作業しているかのような台詞を吐きつつ。 俺は手元の画面に表示された小さなウィンドウ、そこに現れる光景に全力で注視していた。 その画面に映っているのは、いま、正に目の前に立っている吹雪のパンツだった。 まるで彼女の足下から見上げるようなアングル。 そしてスカートがわずかに揺れて動くのさえ伝わる、高画質なリアルタイム映像。 ……そう。秘密のプログラムとは何を隠そう、この執務机の下に見えないよう設置された、 超小型の隠しカメラ、そのデバイスを管理するためのモノである。 俺はパンツを堪能する間に、本来の作業をパッパッと片手間に終わらせてしまう。 パンツが俺の仕事の活力となり、原動力となる。 それにしても。と俺は思う。 今日は花柄か……!! 何か、朝からいいことでもあったんだろうか。ついつい、そんなことを目の前の吹雪に尋ねてみたくなる。 すると俺の目線に気づいた吹雪が、ん?と可愛らしく小首をかしげるような動作をする。 「あ、終わったんですか、司令官?」 「え!? ……あ、ああ、終わった終わった! ちょ、ちょっと待っててくれ」 いけないいけない。「こっち」の作業も済ませなければ。 俺はそのリアルタイム映像をキャプチャするボタンをクリックし、吹雪の今日のパンツを一枚の写真に収める。 ベストショットを決めるカメラマンのように。 「……よし。じゃあ資料はこちらで保管しよう。あ、それと第二艦隊に遠征の内容説明書を持って行ってくれるか?」 「はい! わかりました!」 俺が書類を渡すと、吹雪は受け取り、挙手敬礼をする。 そして、仕事を任されて単純に嬉しいのだろう。駆けるように出て行った。 その拍子に、短いスカートが浮き上がり、パンツがちらっと見えた。 花柄だ。 あ……と、俺は微妙に得したような損したような、不思議な気分を味わう。 ……いやまあ、気にするまい。 パンチラは、記憶の中にしか残せない。だけど俺は、しっかり『記録』に残せるモノを持っている。 そう独りごちると俺は、パソコンに向き直る。 画面の下にいくつか配置されたタブのうち、『情報』と書かれたタブをクリックした。 その中のプライベートなフォルダ群の中に、『fubuki』というフォルダが掘ってあり、パスワードを入力してそこを開く。 これが俺の記録であり、お宝。数ヶ月に渡って記録した、毎日の吹雪のパンツ写真である。 (ちなみに一瞬フォルダアイコンまで吹雪のパンツにしようかとも思ったけどやってないよ、ほめて) 俺はそこに今日の一枚を保存すると、また一枚増えたそれらのパンツ群を眺めて、しばし恍惚に浸る。 「うむ……今日の花柄はなかなかの当たりだ……」 基本的に、吹雪のパンツは一週間ほどでローテーションされている。 その内訳を数えると、花柄一枚、水色一枚、ピンク一枚、ピンクの縞々一枚、白が三枚。 年頃の女の子にしては少ないが、そこはやはり軍隊生活ゆえだ。 三枚ある白のパンツを、俺は密かに『白のい号』、『ろ号』、『は号』と呼んでいる。 中でもフロントに小さな赤いリボンのついた『は号』は、俺の一番のお気に入りだ。 ……閑話休題。 パンツ空間をひとしきり堪能してニヤニヤすると、俺はちょっと椅子にもたれ、天をあおぐ。 (この偉大なる『パンツ監視システム』を作った前任者さん、あんたには感謝してもしきれない…… いつかどこかで出会ったら、秘蔵の写真をおごらせてくれ……) 前任者とは俺の先任の提督、すなわちこの執務机の下にカメラを設置し、その管理ツールを密かにこのパソコンに仕掛けた人物である。 今はどこで提督をやっているものか、ようとして知れない。 噂ではどうも何らかの罪科を問われ異動になったと聞くが……。 ハテ、一体こんなすばらしい趣味と能力を持つ人物が、何の咎で左遷されたと言うのか? 不思議でしょうがない。 「ぱんぱかぱ~ん! 提督、作戦完了で帰投よ~~!! え~い、むぎゅっ」 鎮守府の夜。夜戦を終えた第一艦隊が帰投する。 その旗艦・愛宕さんが帰るやいなや飛びついてきた。 「ご苦労だった。どうだった、戦果は?」 「ええ、我が方の勝利! でしたけど……服はボロボロになっちゃいましたぁ~」 彼女の言うとおり、その服は夜戦で受けた砲撃によって、溶ける水着を発明したドイツ人もビックリのすさまじい脱げ方をしている。 こぼれた二つのたわわな果実が、そのままむにゅ~っと俺に押しつけられていた。 「うむ。入渠ドックは2つとも空いているから、損傷の激しい者から先に入ってくれ」 「あ……はい、提督」 抱きつく愛宕を引き離して、俺がこともなげに言うと、彼女は少し気勢をそがれたようにそう言う。 「提督って、マジメでいらっしゃるんですね……」 去り際に愛宕は、寂しげな声でそう呟いた。 そんな彼女に続いて、大半の者が服が裂けたり、下着が見えたりしている満身創痍の艦隊が、ひょこひょこ夜の鎮守府へ帰って行く。 ある意味扇情的な光景だが、俺はそれに別段心動かされることはない。 マジメ……その評価に俺は、内心少し笑ってしまう。 なるほど、現に俺はあられもない姿をした愛宕に抱き着かれても、 こうして中破大破の艦娘たちを見てても、決していやらしい心を起こしたりはしない。 そんな態度のおかげで、すっかり艦娘たちの間では『マジメ』『堅物』で通っている俺だ。 ……が、実のところさっきの愛宕のハグに股間一つ動かなかったのは…… 単純に、昼に吹雪のパンツ写真を『おかず』にナニに耽り、文字通り精も根も出し尽くしたからに他ならない。 そう。官能的で成熟した艦娘たちに囲まれながらも、なぜだか俺の性欲の矛先は、吹雪にしか向かないのだ。 「あっ、司令官! お疲れ様ですっ!」 ……などと述懐しながら戻る途中、廊下で吹雪と出くわした。 こんな夜中でも、相変わらずの元気な挨拶だ。 「あ……ああ、お前も秘書艦の務め、ご苦労だな。吹雪」 「はいっ、ありがとうございます!」 昼間、さんざん彼女を妄想の中で辱めた罪悪感のせいか、つい返答がぎこちなくなってしまう。 が、吹雪はもちろんそんな素振りに気づいた様子もない。 「司令官は今日のお仕事はもうお済みですか?」 「うーん……あとは今日の資源の収支報告をパソコンに打ち込むだけかな」 「あの、それでしたら私、代わりにやっておきましょうか?」 「本当か!? 助かるな……それじゃカギ渡しておくから、頼めるか?」 俺は懐から執務室のカギを取り出し、吹雪に手渡す。 「はい、お任せ下さい!」 吹雪は挙手敬礼すると、回れ右して執務室の方へ駆けていく。 そのときにまた、スカートがひらりとそよいでパンツが見えた。本日二回目の花柄。 「…………」 支給品のスカートが短いためでもあるが……こう日に何度もパンチラされると、目のやり場に困る。 最近気づいたのだが、べつに盗撮などしなくても、吹雪は普段からガードがゆるいのだ。 もしかしたら、自分が他の艦娘に目もくれず、吹雪に欲情する理由はそこにあるのかもしれない。 自分が性的な対象になることなんて全く想像していないその純真さ。そして無防備さ。 まだ『女のコ』としての自覚が薄い彼女を、守ってやりたいという庇護欲。 そして同時に、そんな無垢な彼女を自分の手で汚してしまいたいような征服欲。 最初に秘書艦として選んで以来、俺はそんなアンビヴァレントな感情を、知らず知らずのうちに吹雪に抱いているのだった。 ……ああ、それにしても、日頃あれだけパンツを見てしまっていると、 ふとした偶然のパンチラに『ありがたみ』を感じなくなるからいけない。 もっとパンツを見るという機会に『敬意』を払わなければ……。 そこまで考えて、俺は廊下の途中でピタリと足を止めた。 ……あれ、俺は……何か恐ろしいことを忘れていないか? 『それじゃカギ渡しておくから、頼めるか?』 『はい、お任せ下さい!』 さっきの会話がフラッシュバックする。 俺はカギを吹雪に渡した。吹雪は俺の仕事を引き継ぐためパソコンに向かい…… パソコンに…… (う、うおおおおおおおぉぉぉ!!) 俺は心の中で声にならない叫びを上げながら執務室にダッシュした。 そうだ。まずい。あのパソコンの画面には……昼間見ていた吹雪のパンツ写真のフォルダがそのまま! ついでに隠しカメラも起動しっぱなしだ!! ばたん! と執務室の扉を開けると、ちょうど吹雪がパソコンの前に座っているところだった。 「や、やあ吹雪……」 「し、司令官……!?」 驚いたらしい吹雪が、ガタッと席を立つ。 彼女の向かっているパソコンの画面は、もちろん入り口からは見えない。 どうか、どうか吹雪が見ていませんように、と心の中で祈る。 「あ~……その、そのだな。し、仕事はやはり自分でやることにしたよ。ご苦労だった吹雪、下がってよろしい」 「あ、は、はい司令官……」 そう言うと吹雪は席を立った。そして、いつもの活発さを欠いた足どりで、 執務室の扉へ小股で歩いて行く……なぜか俺を心持ち迂回するようにして。 「なあ、吹雪……」 「は、はい、なんでしょう!?」 「……いや。おやすみ、吹雪」 「……あっ、はい! お、おやすみなさい司令官っ、し、失礼します!」 ぱたん。 吹雪が退出し、むなしい響きで執務室の扉が閉まった。 「…………」 恐ろしいぐらいの嫌な予感を抱きながらも、俺はよろよろと執務机のパソコンへ向かう。 パソコンの画面には……はたして、カメラのウィンドウも、例のパンツ写真フォルダも展開されていなかった。 デスクトップ画面が表示されてるだけだ。 ……俺の思い過ごしだったのだろうか? もしかしたら昼間、俺はちゃんとウィンドウを閉じて席を離れたのに、それを覚えていないだけなのか? それとも吹雪がすべてを目にし、俺が来たとき驚いて閉じたのだろうか? ……あらゆる希望的観測と、逆に最悪の事態の予想が頭に渦巻いて、その夜はほとんど一睡もできなかった。 次の朝。 執務机に向かい、秘書艦・吹雪がやってくるのを待つ俺の心は非常に重かった。 いつもなら先んじて隠しカメラを起動させておいたりするのだが、それすらする気が起こらない。 何しろ、こうした盗撮のすべてが吹雪にバレているかいないか、それを何としても確かめないといけないのだ。 とりあえずは、それとなく探りを入れるしかないだろう。 昨夜の彼女の態度は若干ぎこちないものがあったが……とにかく、すべてが杞憂でありますように、と俺は必死で祈っていた。 と、ぱたぱたと元気な足音がして、執務室の扉が開いた。 「……し、司令官、おはようございます!」 そう言って吹雪は、まずはいつもどおりの時刻にやってきた。 ……若干、声が上ずってる気がしないでもないが。 吹雪の立った位置は、いつもならそのパンツをカメラで拝見する絶好の位置だ。 やめなければと思いつつ、つい頭はいつものクセで、彼女のスカートの下に隠されているものを想像してしまう。 「……うむ、おはよう。え、えー……今日の仕事はだな……」 そう言いながら俺は適当にパソコンをいじって、スケジュール帳を開こうとする。 「……あの、司令官」 「うん。何かな、吹雪?」 「……あの……今も……見てるんですか?」 一瞬、俺の体は石像のようにピタリと止まった。 キーを叩こうとする手がカタカタと震え、吹雪に目を合わせることができない。 「……み、見てるって、ナニを、かな」 舌がもつれて、ほとんど言葉にならなかった。 「……その……私の……ス、スカートの中、を……」 「!!!」 俺の頭の上に、メタルギアソリッドで主人公を発見した敵兵の頭に浮かぶみたいな巨大な!マークが浮かぶ。 目眩がし、冷や汗がドッと滝のように次から次へと流れた。 心臓が早鐘を打ち、足下の床が抜け落ちるような喪失感が体を襲う。 やっぱり吹雪は、見てしまっていたのだ。何もかも。 吹雪は他の艦娘にも話しただろうか? ……それとも、上に訴え出たりしただろうか? どこまで噂が広がったかによっては、艦娘たちから総スカンどころか左遷、いや軍刑務所行きすらありえる。 ……いやそれよりも。 吹雪の中で、今まで俺が有能な司令官として培ってきた信頼は地に堕ちたに違いない。 きっと彼女がこの先、今までと同じ誠実で勤勉な秘書艦を務めてくれることは、もうありえない。 そう思った瞬間、心の中に懺悔の気持ちが湧き起こった。 「吹雪……今は、今は見ていない……たのむ、信じてくれ」 俺は震えながら、罪を告白するようにそう絞り出す。 今までずっと、吹雪のパンツを盗撮してきたことは事実だ。 うわべには面倒見のいい司令官を装ってきた分、盗撮魔としての俺の姿は、きっと吹雪の心にダメージを与えたに違いない。 けれど、今は罪を悔いている。それだけは俺の、最後に残った真実だった。 「……」 吹雪は黙って俺の言葉を聞くと。 次に、信じられない一言を言い放った。 「司令官……あの、見てても……いいですから……」 「……え?」 吹雪、いまなんと? 「し、司令官がどうしてもっておっしゃるなら……ぱ、パンツ……見てても、いい、ですから……っ!」 「!!!!!!!!!!!!!!!!」 まるでメタルギアソリッドで敵兵全員が一斉に主人公を発見したときみたいな、!マークの羅列が俺の頭に浮かんだ。 「吹雪……ほ、本当に……?」 「……は、はい……!」 ようやく顔を上げて吹雪を見ると、なんといつもの彼女からは想像もつかないような、真っ赤な顔をしていた。 こっちをまっすぐに見ようとはせず、恥ずかしそうに顔は伏せられている。 あの吹雪が、それほどの恥ずかしさを我慢して、俺がパンツを見るのを許容しようとしてくれている? ……俺のために? そう思った瞬間、否応なく興奮で心臓が高鳴った。 その高鳴りは、さっきまで絶望に苦しく鳴っていた鼓動とは全く種類を異にするものだ。 「本当に……いいんだな?」 「…………はい……」 最後の念押しをすると、俺はおそるおそる……カメラを起動する。 これまで幾度となく吹雪の前でなに食わぬ顔で行ってきた操作。 だが今は、その吹雪の合意の下に盗撮(?)に及んでいるという事実が、比べ物にならない興奮をもたらしていた。 ほんのわずかな動作音がして、カメラが立ち上がり、映像を写すウィンドウがポップアップした。 (おお……っ!!) 吹雪が何枚か持っている、地味なたたずまいの白パンツ。 しかしその正面には小さな赤いリボンがあしらわれ、ヒラヒラ揺れて可愛げに存在を主張している。 これは……『白のは号』! 思わず吹雪(本体)の方へ目をやると、さながらカメラを通して食らいつくような視線を感じてでもいるかのように、 その細い体をフルフルと震わせていた。 もしかしたら彼女にとって、初めて男の餓えた目に晒されるのを自覚した瞬間なのかもしれない。 そんな真っ赤になった吹雪の顔と、ウィンドウの中で白く眩しいパンツを交互に見ていると、俺の心の中にふと、ある問いが浮かぶ。 吹雪は、どこまで許してくれるのだろう、と。 「吹雪……」 それは同時に、この清らかな少女を、どこまで自分色に染められるだろう、という卑俗な思いでもあった。 けれど構わなかった。今までモニター越しにぶつけるだけだったこの欲望を、俺は吹雪に知ってもらいたかったのだ。 「吹雪、その…………直接、見せてくれないか!?」 「!!?」 吹雪の肩がビクッと揺れ、かわいそうなくらい動揺しているのが見てとれた。 「直接って……あ、あの……」 「パンツだ。吹雪のパンツを、この目で見たい」 「……!! ……あの、今、ここで……ですか……っ!?」 そう答える吹雪は、相変わらず、爛々と欲望に輝く俺の目と目を合わせようとせず、おろおろした顔を下に向けたままだった。 いけない。俺は決して吹雪を困らせたり、いいように弄びたいわけじゃないのだ。 「言っておくが吹雪、これは決して命令じゃない」 「あ、え……!?」 「もしお前が少しでもイヤだと思ったら、そう言ってくれ。 そしたら俺は、二度とこの話を持ち出したりしない……パンツ写真も、全部削除して、二度と覗かない」 別に殊勝なことを言ってるつもりではない。第一、写真を捨てたところで、 今までの盗撮の事実も精算して吹雪と元通り、ふつうの司令官と艦娘の関係に戻れるなんて考えてはいなかった。 ただ、権力をカサに着て、いたいけな女の子に望まない行為を強要する、なんてのは、 それこそ軍刑務所どころか地獄に堕ちても仕方ない罪だ。そう思っただけだった。 「吹雪……イヤか?」 「いっ、イヤじゃありませんっ……! わ、私……」 驚いたことに吹雪はそんな風に即答してくれた。イヤじゃないと。限りなく恥ずかしくとも、イヤではないと。 「私……し、司令官のため、なら……」 吹雪の手がスカートの前に伸びる。 俺は耳元のすぐ近くで鳴ってるみたいな自分の心臓の音を聞きながら、その動作を取り憑かれたように見ていた。 吹雪のスカートが、お腹の高さへとまくり上げられるまで。 (……う、おおおぉぉっ……!!!!) 夢ではなかった。純白だった。 目の前でまぶしく輝いていた。吹雪のパンツが。 吹雪のパンツそのものには、年頃の女の子の下着らしい性的なアピールなどは一切ない。 むしろウェストがおへそのすぐ下までくるような、だぼっとしたタイプだ。 けれどその下にあるモノが描くカーブは、やっぱり隠すことが出来ない。吹雪の大事な部分が描く、ふわりとした曲線。 そう。その下に吹雪の、女の子の秘密を守っているからこそ、覆い隠すような形も、純潔の白の色すらも予兆的で、性的に見えるのだ。 ……また一歩パンツの奥義に近付いた気分だった。 しかもそれを、他ならぬ吹雪自身が。この執務室の中、俺一人だけにさらけ出してくれている。 興奮するなという方がムリな、至福のシチュエーションだった。 「ふ、吹雪……っ」 そして吹雪はと言えば。 スカートを自分の手でまくり上げながら、極度の恥ずかしさで固まったみたいになっていた。 目はぎゅっと閉じられ、首は横を向いている。真っ赤に火照った、桜貝みたいなかわいらしい耳がよく見えた。 膝はわずかに震えていて、羞恥で腰が抜けてしまいそうなのを必死にこらえているかのようだ。 「吹雪……ち、近くで見てもいいか……っ!?」 「……~~~!!!!??」 けれど俺は、ここで止まるつもりはなかった。 浅ましい覗き魔の俺を受け容れ、許してくれた吹雪に、もっとそのままのむき出しの俺を知ってほしかった。 「……近くで、見たいんだ。吹雪のパンツを」 「…………は、はい……っ」 吹雪のか細いが確かな返事をもらうと俺は、執務机から立ち上がる。画面に映った方のパンツなどは、もう目にも入らなかった。 「……ぁ、あの、し、司令官……っ……!」 俺が近寄ると吹雪が反射的にそんな声を漏らす。しかしまず俺が向かったのは吹雪の方へではなかった。 彼女の後ろにある執務室のドアに向かい、それをカチャリと施錠する。 そうしてからふたたび吹雪の方へ、くるりと向き直る。 「し、司令官っ……!! わ、私……司令官以外には、こんな、見せたことないですからっ…… あ、だから、あのっ……司令官が、は、初めての人ですから、私……っ!!」 そんな俺の行動に、テンパってるのか怯えているのか、しどろもどろになる吹雪。 「吹雪……お前の考えてるようなことをするわけじゃない。その……痛いことはしないから、安心してくれ。吹雪」 「……え、あ……」 実際、ここで吹雪を押し倒したとしても、彼女は受け容れてくれたかもしれない。 吹雪が司令官である俺に寄せる全幅の信頼とは、どうやらそれほどのものらしい。 けれど俺には、恋に恋する少女が夢見る『初めての男』になってあげるよりも、もっと崇高な義務が、自分に課せられている気がした。 その使命感に従うまま、俺は吹雪の前まで来ると、ひざまずく。 目と鼻の先に、フロントリボンをあしらったパンツ『白のは号』が鎮座ましましていた。 「…………~~~~!!!!」 吹雪が声にならない声を上げるが、構いはしない。 もはや吹雪のパンツのすべてのディテールが目に入る距離だった。 やわらかな綿の繊維の質感も。吹雪のおへその下にキュッと控えめに食いこむゴム紐も。 太ももの間でわずかにふくらんだ部分を守っているクロッチも。 それでも俺は顔を近づけていく。 鼻で息を吸いこむと、洗いたての服の爽やかな匂い。それから、太陽と波の潮をたくさん浴びた健康的な肌の匂いがした。 ああ、吹雪のスカートの中の空間にはいつもこんな甘やかな匂いが広がってるんだろうか? (……吹雪……吹雪っ……!!) ついにたまらなくなった俺は。 吹雪の腰をがしっと両手で掴むと、そのまま吹雪のパンツに顔をうずめた。 「ひゃあぁ、ああッ……~~~!!!!? し、司令官……っ!!!」 ふにゅっ、と。言葉で表すのも変だがとにかくそんな感触がした。 鼻先を押しつけるともっと、ふにゅにゅ、と確かな弾力があり、ついでに頭の上で吹雪がひっくり返ったような声を出す。 目の前には一面白い世界が広がっていた。『白のは号』のフロントリボンが時々鼻にこしょこしょと当たって、こそばゆかった。 ……不思議な空間だった。 目に映るのはただ清潔な、純白の布地ばかりなのに、その向こうにはたしかに体温を持った、ふにふにとやわらかい感触がある。 きっとこの奥には、吹雪のいちばん大切な部分が隠れているのだ。ある意味ではいちばん不浄な部分が。 吹雪がお風呂で洗うとき、トイレで用を足すとき、生理のとき、あるいは……吹雪が自らを慰めるとき。 そんな人目をはばかるときにしか、姿を現さない場所が。 それを守るパンツという空間は、はたして聖域なのか不浄なのか。 いま触れているのは布なのか、体なのか。 ここは夢なのか、現実なのか。 吹雪の匂いと体温とパンツの感触に包まれて、頭がクラクラしそうだった。 (……ん?) ちゅく、と。触れている部分が、前触れもなく濡れ始めた。明らかにパンツの中から染み出たものだ。 確かめてみようと、舌で触れてみる。 「や、ぁああああぁぁっ……~~~!!!!!」 ひときわ高い吹雪の声が上がり、同時にまた、じゅくじゅくした液体が、パンツの奥から染み出してくる。染みは生理食塩水の味がした。 抑えきれない声と、とろとろ滴る露と。 二つはともに、成熟の途上にある吹雪の身体が、未知の快楽に対してせいいっぱい返す反応だった。 何か夢中になってしまい、杯を頂くようにして吹雪のクロッチに口を付ける。 その部分を吸い上げてやると、また可愛い声が漏れた。 「ああぁっ、司令官っ……!! 舌、や、舐めちゃ……ッ、ふ、あぁ、当たって……!!!」 吹雪が滴らすものと唾液とで、大事なところの形がすっかり浮き出てしまった吹雪のパンツ。 そのどこを刺激してやれば好いリアクションが返ってくるか、俺はなんとなく把握しつつあった。 ぷにぷにとした門を割り開いて、舌を差し入れてやるようにすると、とろりとした愛液が。 その門の上、触るとようやくわかる程度に尖り出た秘芯を吸ってやると、驚いたような声と共に、もれなく体が跳ねる。 「ひゃう、ふあああぁぁっ……!!! ん、あぁっ……し、司令官……っ!!!」 ぱさっと。頭の上に布が降ってきた。 吹雪が自分でまくり上げていたスカートの端を、掴んでいられなくなったのだろう。 スカートに頭を突っこんだ格好になりながら、俺は吹雪の布越しの秘所への責めを続ける。 きっと布地の上からでは、吹雪にはもどかしいような刺激しか与えられないかもしれない。 それでも懸命に、吹雪の感じる場所を探って舌を動かす。 こっちのひとつひとつの責めに、いちいち小動物みたいな、愛くるしい声を上げる吹雪が、可愛くてたまらなかった。 鼻にかかったような甘い声や、甲高い、はしたない嬌声。 吹雪がそれを漏らすたび、俺は、吹雪が清らかな少女の殻を破り、俺と同じ、浅ましい欲に駆られた、 むき出しの姿を見せてくれているみたいで、ただただ快感だった。 「ん、やあぁぁっ……!! あ、ふあっ……も、や、やめっ……あ、ああぁぁっ……~~!!!!」 吹雪が弱々しい声を漏らすと、急に俺の肩へと両手をかける。 とうとう腰が抜けたのか、足だけでは立っていられなくなったらしい。 俺の抱えている吹雪の腰も、ふいに、ふにゃりと弛緩したように力が抜ける。 その隙を逃さず、舌で尖った部分を刺激しつつ、強く吸い上げてやると。 「……~~~~~っっ!!!!! だ、だめです、し、司令……んっ、ぁ、あああああぁぁぁぁッッ!!!!!!」 嬌声と共にがくがくと、面白いように腰と膝を震わせる吹雪。 そして快楽に突き動かされるように、自ら腰を突き出して、俺の顔に押しつけるようにしたかと思うと。 びくん、と一度、体を震わせ、やがて、糸が切れたように大人しくなった。 ……絶頂を迎えたのだろう。 くたっと脱力した体が床へと崩れ落ちそうになるのを、慌てて支え抱きとめてやった。 吹雪の頭を肩にかかえ、床に膝をついた吹雪の体を抱き、あやしてやるみたいな格好になる。 「……ぁ、はあっ…………し、司令官……」 耳元で吹雪が熱い息を吐き、夢見るような声で言う。 まだ快楽の余韻に震えているせいだろうか、すごく艶っぽい声だった。 ちなみに。 俺の砲身はズボンの中で、さっきから馬鹿みたいに硬く屹立している。 それでなくても、吹雪の体をひしっと抱きとめているこの姿勢は色々危なかった。理性との戦い的に。 「……なあ、吹雪」 「はい……司令官……」 甘い声で返事をする吹雪。なんだかすっかり恭順してしまった犬のようだった。 その艶っぽい声に当てられそうになったが……俺には使命として、吹雪にやってもらわなければいけないことがあった。 そう、ここまで来たからには。 「吹雪……パンツ、濡れちゃっただろ。脱いだらどうだ」 それを聞いて吹雪は、一瞬固まったものの。 「……はい」と小さく呟くと、その場でしゅるしゅると、パンツを脱ぎだした。 肌に触れるたびぐしゅぐしゅと濡れた音を立てるそれを、吹雪は膝立ちのまま器用に、片足ずつ抜く。 脱ぎ終わると、パンツを片手に持ったまま、ちょっと戸惑う吹雪。濡れて丸まったそれをどこに置いたものか迷っているのだろう。 俺はその隙に。ひょい、と吹雪の手からそれをさらう。 「……ぁ、やっ……!!」 わずかな抗議の声を上げる吹雪。 「パンツ、記念にキープしといちゃ、ダメか?」 「…………いえ、し、司令官がお好きなら……」 そう言いながらも、ちょっと焦れったそうな吹雪の声色が面白かった。 まるで脱ぐだけじゃなくて、もっと先を求めてるかのように。 けれど、きっと今日の体験だけで初めて尽くしだろう吹雪に、『これ以上のコト』をしてしまうのも酷だろうと思った俺は。 「ほら、立てるか? 吹雪」 吹雪の手を引いて立たせてやる。 ふらふらと立ち上がった吹雪は、少し潤んだ目で俺の方を見つめてきた。 その可愛さにまたちょっと心動かされかけたが、とりあえず俺は吹雪の背中を押して、ドアの方を指し示す。 「その、なんだ……今日の執務は他の艦娘に任せるから、ゆっくり休むといいぞ、吹雪」 「……はい……」 それだけ言うと吹雪は。 ノーパン状態が気になるのだろうか、いつもより三倍増しくらい女の子っぽい仕草で、スカートをなでつけたり、押さえたりしながら。 これまた普段は滅多に見ないような、かわいらしい小股歩きで、ぴょこぴょこと執務室を出て行った。 ぱたん。 ……後に残されたのは、そんな吹雪のあまりに女の子ちっくな仕草に、股間を最大限まで怒張させきった俺と。 その手にしっかり掴んだ、吹雪のパンツ『白のは号』。 「………………」 やることは決まっているような気がした。 その後、吹雪のパンツを見ながら1回。吹雪のパンツを自分の砲身に被せながら3回。 吹雪のパンツを顔に被って吹雪のパンツ越しの酸素を吸いながら2回。 涸れ果てそうなくらい自慰に耽った俺が、ようやく空を仰いだ頃には、もう午後もだいぶ回っていた。 今日の艦隊は平日休業、と事前に艦娘たちには伝えてある。鎮守府は音もなく静かだ。 横須賀の海の上には、夕陽を受けて、青い水着のパンツと少女の肌のような、青と橙色のコントラストが広がっていた。 その景色を見ているうち、ふと思い立って、机に戻りパソコンに指を走らせる。 いくつかの操作の後、俺のパソコンからは綺麗さっぱり、隠しカメラの管理ツールも、 そして『情報』タブの中の『fubuki』フォルダの写真も、すべて消えていた。 今の俺にはそれらはもう必要ないものだった。 隠しカメラを外すため、アホみたいな体勢で机の下にゴソゴソ潜りこみながら俺は、 この隠しカメラを同じくアホみたいな体勢で設置したであろう、前任者の提督のことを思った。 また、彼が左遷された理由も、何となくわかった気がした。 俺は、彼の轍を踏むまいと思った。 何より俺には。 吹雪が自分の意思で託してくれた、本物があるのだから。 次の日の朝。 「司令官、おはようございます! 今日は、何をすればよろしいですか?」 挙手敬礼して、執務室の俺の前に立つ吹雪。その挨拶はいつも通り、元気にあふれていた。 その若い血気がうらやましくもあり、俺もついつい笑みがこぼれてしまう。 「そうだな、今日は主に南西諸島方面への遠征、それから各艦娘へ装備の定期検診の通告、 それに……そうそう、一番大事なことがあった」 「はい、何なりと!」 俺は肘をついた手を胸の前で組みながら、最も重要な任務を重々しく宣告するときの面持ちで言う。 「吹雪、今日のパンツは何色だ?」 問いを受けた吹雪も、一瞬目を大きく開く。 そして、ちょっと顔を赤らめてから背筋を伸ばし、息を吸いこんで答える。 「はい! 私の今日のパンツの色は……」 (了) +後書き 518 :3-91:2014/04/10(木) 14 11 11.45 ID bP3dsiIH 吹雪ちゃんが女のコとしての自分に気づき始めるのはいつ頃だろう うちの鎮守府の吹雪にもいつか「パンツ見えてるよ」って指摘してあげないとなぁ 持病の文章が長くなる病で一発ネタのはずが読みづらい文章量になった SSを簡潔にまとめる工夫とかあったらどなたか是非ご教授くださいませ
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/75.html
提督×足柄の続き 潮風と窓から差し込む陽光が艦娘の頬をくすぐる。 うすぼんやりと覚醒した彼女は体をよじる。 汗でしっとりと肌に張り付いた布の感触。 対照的にスースーとする下半身の解放感。 切りそろえられた黒髪の下の大きな瞳がうっすらと開かれる。 奇妙な感触がする指先を目の前に持ってくる。 何かの液体が乾いた後と微かな性臭が彼女を急速に覚醒へと押し上げる。 「はうっ、…これって……」 乱れた夜着から零れ落ちた白い双球とあられもなく晒された太腿と淡い翳り。 右足首に丸まっているのは間違いなく下着だ。 「や、やだっ!…わ、わたしったら……」 もぞもぞと布団を手繰り寄せて、妙高型4番艦羽黒は赤面した。 出撃から帰投した昨晩、偶然覗いた提督の部屋で行われた秘め事。 姉の足柄と提督との激しいセックス。 行為が終わると足早に隠密発射された酸素魚雷のごとく彼女は自室に飛び込んだ。 まんじりともせず布団にもぐりこんだが、おさまりがつかない。 耳に残る姉の嬌声と図らずも最後まで見てしまった姉の痴態が瞼の裏から離れない。 意識下で昂ぶっていた戦闘終了後の精神と相まって思わず股間に手をやってしまった。 乳房をまさぐり、幾度も陰核を擦る。 尖った桜色の乳首を弄び、蜜に指を濡らす。 いつしか脳裏に浮かんでいたのは提督の姿。 逞しい彼自身で貫かれる自分を想像した彼女は竜骨が折れんばかりに背をのけぞらす。 まだ未成熟の秘裂から大量の蜜を吐き出し上り詰めてそのまま落ちた。 昨夜の自分の痴態を思い出し赤面する。 そして、提督を”おかず”にしてしまったことも彼女の頬をより熱くした。 「-ぐろ……羽黒?」 布団の外から聞こえる声にひょこりと顔を出す。 太眉に切りそろえられた黒髪-姉、妙高のいつもの優しい笑顔があった。 「どうしたの二日酔い?」 額に当てられた手がひんやりとして気持ちいい。 「ううん、大丈夫」 「そう。出撃後のお休みだからいいけど、そろそろお昼よ」 もそもそと布団の中で身繕いをして起き上がる。 「朝ごはんは出来てるからおあがりなさい。それと1730に提督が執務室に、って」 羽黒はていとくの四文字を聞いてびくりと体を固くする。 「あ、あのー、妙高姉さん?」 「なぁに?」 「あの、その……」 姉の顔を真正面から見れず下を向いて、もじもじと布団を胸の前でこねくり回す。 「提督、何か…言ってなかった?」 真っ赤になった顔で上目使いで尋ねる。 「さあ?特に何も……何かあったの?」 「な、なにも!なんにも無いよ!」 妙に慌てふためく妹の挙動を不審がりながらも妙高は部屋を出た。 「あぅぅ…気付かれちゃったのかな……」 布団を畳みながら呟く。 「司令官さん……」 提督の顔が浮かぶ。 彼女達は兵器だ。戦うための道具に過ぎない。 だが、提督はそんな彼女達、艦娘を自分と同列の仲間として扱ってくれる。 この泊地以外でも各地の鎮守府、基地で連合艦隊の魂を受け継いだ艦娘達が謎の敵、深海棲艦と戦っている。 その中には大破した艦艇を無理矢理進撃させたり、駆逐艦を使い捨てにしている司令官もいると噂では聞いている。 だが、提督は決してそんなことはしていない。 艦隊に小破した艦娘が一隻でもあれば、たとえ勝利が目前でも必ず引き返した。 『帰ろう。帰ればまた来られるから』 那智や足柄、木曾といった積極策を唱える艦娘達が抗議の声をあげても彼は頑として流されることは無かった。 『資源は時間が立てば回復する。戦機はまた作ればいい。だが、君達は私にとって唯一無二の存在だ。代わりはいない』 そう言って、照れたように頭をかくのが常だった。 -提督、私の唯一無二の司令官さん。 羽黒の胸がほうと暖かくなる。 服を整えながら羽黒の頭の中は提督でいっぱいになる。 そうすると今度は艦本式重油専焼缶が燃え上がるように動悸が高まる。 昨晩の足柄の姿が浮かぶ。 -姉さん、あの凛々しい姉さんがあんな……。 私も司令官さんに……。 足柄を自分に置き換えたところで羽黒は頭を振った。 -私は姉さんみたいに美人じゃないし、それに……。 「もしそんな事になったらボイラーが爆発しちゃう!」 そう呟いて、ため息をつく。 そのため息が持つ意味を羽黒はまだ良く理解していなかった。 「妙高型4番艦羽黒、出頭しました」 「うん。入って」 1725に執務室に入ると秘書艦を務めている姉-那智とともに提督が出迎えた。 「あのぉ……わ、私…ご、ごめんなさい!」 「へっ?」 顔を真っ赤にして突然、平身低頭する羽黒に提督はポカンとする。 「あの、昨日はその、あの」 「ん、昨日?……ああ、一航戦なら大丈夫だよ。それに仲間を大事に思う羽黒の気持ちは間違ってないよ」 「へっ?」 今度は羽黒がポカンとした顔になる。 昨日の戦闘で不用意に突出した一航戦が敵の艦載機に襲われた。 統制砲雷撃戦突入直前にも関わらず羽黒は反転して空母の盾になろうとした。 提督はその事を気にしているのだと思っている。 「優しさは羽黒の良いところだよ。今度はもう少し視野を広げて考えればいい。私も気を配るようにするから」 デスクを立って羽黒の頭を優しく撫でる。 「あ、あの、その、…夜の……」 「ん?夜?」 羽黒は口からタービンが飛び出してしまいそうにドギマギしながらも昨夜の覗きを謝ろうとする。 「…何やら、意見の食い違いがあるようだが。それよりも、提督」 「あ、ああそうだな」 あきれ顔で間に入った那智に気付いて照れながら机に戻り、ファイルをパラパラとめくる。 「羽黒、大海令だ。我が艦隊は沖ノ島海域の攻略に乗り出す」 「えっ…あの、難攻不落の…」 沖ノ島海域は全世界の鎮守府司令を悩ませている敵の一大集結海域だ。 複雑な航路、濃密な敵の哨戒網、そしてフラッグシップと呼ばれる強大な戦艦、空母。 既に突破に成功した艦隊も無数の屍-轟沈艦娘の尊い犠牲の上にそれを成し遂げたと戦闘詳報にはある。 「いきなりの攻略は難しい。我が艦隊にはその力はまだ無い」 忌々しげに那智が机上の海図を睨む。 「そこでだ。積極的な偵察活動を行うことを私は決めた」 「小規模な機動部隊を組んで敵泊地周辺に遊弋。敵の小規模部隊にヒットアンドアウェイを繰り返す」 海図と編成表を指しながら那智が作戦概要を淡々と告げる。 「敵戦力の減殺と艦隊の練度向上、並びに航路開拓がこの作戦の意味だ」 先ほどの浮かれた気分は引っ込み羽黒の顔に緊張が走る。 「それでだ」 一際厳しい顔で提督は羽黒を見つめた。 「妙高型4隻は部隊の中核として作戦に参加してもらう」 「貴様も察しがつくと思うが、本命の敵泊地攻撃には航空戦力拡充が必須だ」 脳内に艦隊の編成を浮かべ羽黒はうなづいた。 艦隊の航空戦力は赤城、加賀、蒼龍の正規空母が主力だ。 軽空母に分類されてはいるが隼鷹、飛鷹の姉妹も航空機運用能力は高い。 だが、赤城を除く全ての空母が練度十分とは言えない。 艦隊に配属されたのがごく最近であるし、艦載機運用を支えるボーキサイトは慢性的に不足している。 「第5戦隊は一旦解隊。高雄達ともローテーションを組んで母艦航空隊を守ってやってくれ」 準同型艦の高雄型は普段は第四戦隊を編成している。 第五戦隊に比べると練度は低いが艦隊の中でも第二水雷戦隊と並んで有力な部隊だ。 「わ、わかりました…」 少し不安げに返事を返した羽黒に提督は優しい笑顔を見せる。 「姉さん達と離れて不安だろうけど、大丈夫。俺も必ず一緒に出撃するから」 頬を上気させて羽黒は元気に敬礼した。 「正式な命令は明日、全員の前で行う。下がって宜しい」 「失礼します」 妙に軽やかな足取りで執務室を出ていく妹を見て那智はやれやれといった顔をする。 「……罪なお方だ。」 「んっ?何か言ったかい」 「いいえ、何も…それより」 那智は彼女らしからぬ、茶目のある表情で提督の手を取った。 今夜は私に一杯付き合わないか?」